AWC うちの文芸部でやってること 6−1   島津義家.他


        
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★タイトル (AZA     )  96/ 2/25  13:14  (200)
うちの文芸部でやってること 6−1   島津義家.他
★内容
まえがきにかえて −−うち文は忘れた頃にやってくる
                    うち文計画担当責任者 島津義家
 うち文。知らない人には馴染みがないのは当然だが、知っている人にはある
種の懐かしさを感じさせる単語であるかも知れない。何故なら、うち文は約半
年前、これに関わった人々の頭の中を散々引っ掻き回したあげく、筆者の「う
ち文はスケープゴートじゃない」という暴言と共に消滅したかと思われていた
からである。
 そもそもうち文とは何か。これは九四年の商大祭にて彷徨君が提案した「フ
ァンタジーノベル大賞を目指そう」という計画の通称である。筆者はこの計画
を、より直接的に「ファンタジー系の賞を取り、その賞金の半分を部費にあて、
残りの半分を山分けしよう」という計画だと理解していた。そこには名誉欲は
ない。ただただ金欲が存在するのみである。一言で表現するならば、「大賞の
トロフィーなんか興味ないぞ、その場で質屋に入れたってかまわんぞ」となる
(なお、当初はきちんとした通称は無かったが、「うちの文芸部でやっている
こと」の名前でパソコン通信上で紹介されたのがきっかけで、略してうち文と
の呼び名が定着した)。
 だが(当然、というべきか)、このような不遜かつ不健全な計画は、かなり
の紆余曲折をたどるこことなった。発案から一年以上たつにもかかわらず、今
だまともな成果をあげることもできず、のたうちまわっているありさまである。
本書では、その悪戦苦闘の様もなるべく忠実に再現するつもりである。
 ただし、ここで一つ断っておかなければならないのは、我々(あえてこう呼
ぶ)は、決して不毛な議論に終始していた訳ではないという点である。苦しん
だ分だけ、得るものにも価値があるのだ、と今は信じたい。
 さて。話が少し先走りしすぎた。初めて「うち文」の名前を聞いた人には何
のことか判らなくなってしまっただろう。もう一度説明しておく。
 うち文で構築する物語世界は、誤解を恐れずに言えば、「いわゆる『コンピ
ュータ・RPG』的な世界観とは少し違ったファンタジー」である。
 物語を構成するにあたって、「鉄(金属)の存在しない世界が舞台」「飛行
機が登場する」「その飛行機は輝光石という石の力によって飛ぶ」「主人公は
女の子が望ましい」といったことがあらかじめ決められている。この前提は、
よほどのことがない限り変わらない。
 これらのキーワードを脳内で回転させ、繋ぎ合わせ、自由な発想で物語を作
る、それが当初の目論見だった。今から思うと厚顔無恥もいいところだが、当
時はそれなりに真剣だった(動機は前述したように潔いほど不健全だったが)。
 それだけではよくある話と言えなくもないが、問題は「アイデアや助言を求
む!」と周囲に呼びかけた点にある。その時点では、それがとてつもないプレ
ッシャーになるなどとは思いも及んでいなかった。自分の想像力の貧困さを他
人のアイデアで補おうという発想の安直さに、疑問すら抱いていなかった。
 さらに問題がややこしくなったのは、ファンタジーの何たるかを微塵も知ら
ないくせに、やたら細かいことにこだわって話の本質から外れる男が、計画の
中心部に存在していたことだった(何を隠そう、筆者のことである)!
 筆者は、物語のストーリーが固まった後では、例え何か不都合を発見したと
しても、それが物語の根幹にかかわっているので、もはや修正が不可能だ−−
という事態を何よりも恐れた。それを防ぐには、あらかじめ予想される問題点
を全て叩き潰してから、おもむろにストーリーの構築にとりかかるべきだ。そ
う判断した。
 結果は無残なものだった。理由は簡単。まだ出来てもいない物語に出てきそ
うな不都合を考えるなど、到底無理だったからだ。筆者は文章中に片仮名が溢
れることに疑問を抱き、文章表現についての本を読みあさり、飛行機の操縦技
術を理解しようと躍起になり、古今東西の戦略家の著作に手を出し、「ファン
タジーとはなにか」などという、答えの出ない論争の泥沼に自ら飛び込んだ。
それらはどれも、物語をとりあえず完成させてから行うべきものだった。敢え
て言うなら、「鶏と卵」の命題を誤ったのだ。
 状況は混乱した。何とか計画が前進していると周囲に見せようと考え、自分
でも満足していない習作を発表したことが混乱に拍車をかけた。「大言壮語し
ていた割には、ろくなもんじゃない」事に気付いた人々は早々に、計画に関わ
らぬことを誓った。焦燥の極みにあった筆者は、ハノイの塔とダルマ落としを
取り違えているような混乱を沈静化するべく、やむなく冷却期間を取った。そ
して皮肉にも、大部分の人々にその存在を忘れられることで、うち文は本来の
目的を取り戻したのである。
 計画の発動から一年以上が経過し、ようやくうち文は本来あるべきところに
戻ってきた。それは、あくまでも自由な発想に基づいた思考実験の世界である。
一年の間に得た教訓がそれだけというのは余りにも寂しいが、初動の致命的な
失敗を考えると、仕方がないと思わないでもない。
 だが、そう簡単に当初の野望を捨てた訳ではない。現状では大賞への道は限
りなく険しいが、細々と思考実験を続け、五年後、十年後にひょっこり現れる
かも知れない。何故なら、天災とうち文は忘れた頃にやってくるからである。

<<「うち文」進行中B 「餓狼咆哮編」>>
※注.この「うち文」進行中Bは、「内容があまりにも悪意に満ちた中傷で埋
まっている」と、彷徨君が島津の首を絞めかねない勢いで主張した。その後再
構成を行った結果、全編伏せ字だらけとなってしまった。
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 と、言うわけで。人に喧嘩を売っているような抜粋ですが。まあうち文もさ
しずめ、有り得ない方向を向いて、ネタを次々にこぼしているようなもんだろ
う。あれこれと考えていたにもかかわらず、一年がたってみると、なんだか元
の場所に戻ってきていたみたい。なんとまぁ、気楽なもんだ。「馬鹿野郎」と
言われても仕方ない。
 それにしても、今になってみると、何で一年前はあそこまで無邪気に話をぶ
ちあげていられたのか、疑問で仕方がない。良く判っていないが故の過ちとい
うことだ。あぁ、いやだいやだ。
 さて、いちいち凝った体裁にするのも面倒なので、思いつくまま箇条書きに
して列挙します。誰か指摘してくれる人がいたら有り難いです(ちゃっかり期
待している)。それにしても、今回は暴走が激しい。ほとんどただの雑談だ。

・名前を考える話
 命名は難しい。思いつかない。「何を言っているんだ。それが一番楽しい作
業なんじゃないか」なとど反論されそうな気もしますが、これは結構大変。な
にせ今までの外伝でネタをあらかた使ってしまい、途方に暮れております。方
法としては、何らかの法則性を持たせると楽かもしれない。現に彷徨君がそれ
に関する資料を持ってきてくれた。しかしそれも、欧州の古代言語の法則であ
るから、そのままでは使えない。何かいい手があればな。
 それに関連して。たいぶ前の話ですが永山先輩から「国名の命名には、単語
の後ろから二つ目を伸ばす癖がある」と言われました。ふむ。「ランディール、
タングルーム、グリミーカ、マイーザ、ナイータ」あっ、本当だ。
 しかし彷徨君の考えた「サットヤール」という名前は何とかならないか? 
これはつまり、「さっとやれ」という意味なんやね。それを言うなら、マイー
ザも「まぁいいさ」だし、ナイータも「泣いた」に通じるから、相当ないい加
減さだが。前に出てきた「クリバック」「クレスタ」もかなりキてるし、彷徨
君などは、「ビッグスロープ」なんて書いてたものな。首都*******。
うーん******(古いか)。

・「地獄の底まで***(*******)」
 こんな題にすると、「なんだ! まだ懲りずにファンタジー論をやる気か」
と思われるが、実はそうでもない。
 ただ、世界観の構築は難しいなぁ、と。あれはあれで一つの世界が見事に作
られている訳だから。しかし彷徨君による評価は異常に低い。まあ、個人の好
みもあるから。筆者が、「*****にドロップキック!」とか言っているの
と基本的には同じだ(危ない話だな)。
 それにしても、どうやっても****的世界が氾濫してますな。なんという
か、もっと人が傷付くことに対する感慨とかがあってもいいような気がするん
だが。筆者自身はいつの間にか宗旨変えしたので(こういうことは多々ある)、
登場人物が死ぬことに関しては余り文句を言わないようにはなっている。別に
死ぬのは構わない。死ぬくらい誰にだって出来る(!)。問題は、傷付き死ぬ
際に味わう恐怖をどこまで読み手に伝えられるか、だ。これがうまく出来てい
ないから、ゲームが教育上良くないとか言われるのだろう。とてつもなく難し
い命題なのだが、なんとかならんかな。

・**の話
 『****〜〜』って、その**ではない。本物のそれだ。「**や***
というのは、***からは懸け離れた存在で、そうそう******ものでは
ない」。どうも筆者にはそういう考えが染み付いているようです。どーやって
***と**とを関わらせるか、ひねりが必要になるだろうな(言うまでもな
く、もし、そういう状況が不可欠として、の話だ)。
 一番手っとりばやいのは、「***************が敵(盗賊で
も狼でも何でもいい)に襲われ、**************に助けられる」
というパターンだ。うっ、今時こんなシチュエーションの話があるのか? い
や、案外あるかも知れん。うわぁ、思わず「***」の出だしを思い出した。
うう、***な奴やな、俺って。*****なんかを購読しているからそうい
うことになる。筆者は*****に影響されまくっていて、いろんなセリフを
パクッてたりする。むぅ。とはいえ、最近の*****は***の記事が無く
なって買いやすくなった。って、激しく話がずれてますな。とにかく、彷徨君
が何で***にこだわるのか、いっぺん追求しとかんといかんかもな。

・******の話
 なんじゃい、******って。それは、****RPG「***」シリー
ズの**の名前。由来は言うまでもない。人気ゲームの「***」でさえ一か
ら十まで現実世界から切り離され、オリジナルの言語体系を有している訳では
ないという好例ですな。しかし、こんなのを彷徨君が知ったら歌い出しそうで
怖い。「***************」ってな(笑)。

・主人公の話
 筆者が今まで書いた(うち文関係以外も含む)全ての小説の登場人物を数え
上げ、男女間比率を取ったらどうなるのだろう。たぶん男四割、女六割くらい
になると思う。放っておくと男ばかりの話にする割に、女子野球の話なんての
も書いていた。そこで大幅に女性の登場人物が増えているだろう。
 あと、どうも筆者の場合、気が付くと、主人公であるはずの「風色の少女」
の心理描写がなく、隣にいる男の立場に立って書いている。心理描写のない登
場人物が主人公というのは不自然、というより感情に移入出来ないので困る。
その点、彷徨君はうまくやる。何しろ、「池井さん」がいるから(爆笑)。あ、
笑うとまずいのか。まあ、ここでは羨ましいと言っておこう。彷徨君自身は、
「こういう書き方をすると誤解されるから、あかん」とか言うだろうな。しか
しこのあたりの技術(?)が、筆者と彷徨君の、高校時代に何をしていたかの
差が出ているような気がする。繰り言になるが、羨ましい限りだ(敢えて誤解
を増長させたまま終わる)。

・ある日の会話 その一
 ****「疑問に思っとったんやけど、『*******』の******
には、どーいう意味があるん?」
 彷徨&島津「あんまり意味とかは無いですよ。何しろ**が『******
*』だから」
 くー、いいよなぁ。ハマッてない人間から見たら、頭のネジが緩んでいるよ
うに思える話でも、「そういう**だから」で許されるんだものなあ。あ、何
かファンの人に刺されそう。しかし考えてみれば、どんなに頭から泡を噴いて
いるような話でも、人気があるものはある。だから、ただ賞金を稼ぎたいだけ
なら、仮に信念を曲げても(ここで言う信念とは、リアリティであり、オリジ
ナリティである)構わんのじゃないかという気がしてきた。

・ある日の会話 その二
 ****「そろそろ帰らないと『********』が視られないので……」
(席を立つ)
 彷徨&島津「あー、お疲れさん。また来週」
 ****「それじゃあ失礼します」
 うーん。例によって、ごく一部で大人気の「********」だ! 意味
もなく感嘆符になってしまう。何と言ってもあの***********が作
っているんだものなあ。そりゃ、ある共通の趣味を持つ人達には大ウケだわな。
 ここで唐突に、さっきも書いた*****に載っていた話。『売れる(受け
る)***の三大要素。**、***、*****』。
 さすがは******。見事に押さえている。この定義は八十年代後半には
既に固まっていたと思われるが、ある共通の趣味を持っている人達が求めてい
るものはあんまり変わってないようだ。

 ん? よからぬ事を企んでいるように思われそう。しかし、「誰もが手を出
したがらないことに挑戦する」のがうち文の基本姿勢。たとえそこに手をのば
せば、ある程度のウケが取れるのは確実、であっても、じっと我慢なのである。
第一、誰もが考えるような話では、賞を取るなんて夢のまた夢。
 とか言っている間に、うち文は順調に遅れていく……。

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