#2977/3137 空中分解2
★タイトル (HVJ ) 93/ 3/12 2:57 ( 43)
コインランドリー日記(3)〜「洗濯男!?」 ごんた
★内容
〜 ごんた君の「真夜中の処方せん」シリーズ ^ ^;〜
コインランドリー日記(3)〜「洗濯男!?」 ごんた
「洗濯男!?」
十月一日、霧雨、やや風強し。
水曜日は、一週間のうちでもコインランドリーが一番空いているよ
うです。一人でぼんやりする方が好きなあなたは、きっと毎週、洗濯
することでしょう。
今夜、あなたはやはり普通にとぼけた格好でビールを飲みながら隅
っこの椅子にぼんやりと時を過ごしている。煙草の煙の向こうに、ぼ
んやりと見え隠れする古時計。夜の十一時半。あなたは奇妙な出会い
に胸踊らせていることでしょう。
そんな期待は裏切られることを知りません。十月一日、時計の針が
重苦しく零時をまわり始める頃、あなたはついに「洗濯男」と出会う
ことになるのです。この町内で噂の男!!。でも、彼の名を知るもの
は誰一人いません。
当然、全自動で手間いらずのはずなのに、男は洗濯機の上蓋を開け
始めます。洗濯物をグイとつかみ引っ張り出します。それから、それ
はそれは丁寧にゴシゴシとモムように熱心にやり出すではありませ
んか!!。うつむく男の背中越しに、何やらブツブツと独り言を忍ば
せながら、、、、。薄暗い蛍光灯の下で石鹸石鹸の虹色の泡が男の手
元を優しく包み込んでいく。ためらいがちに、あなたはそっと覗き込
んでみたくなることでしょう。
まさか!?と思うなら、あなたは水曜日の夜更け、物静かな暗がり
の零時を選んでコインランドリーへ行ってみればいいのです。青緑色
の体育会系ジャージに疲れた一人暮しの男の背中がもくもくと揺れて、
きっと鋭く敏感なあなたの好奇心を奪い虜にすることでしょう。くれ
ぐれも目を合わせないように注意しましょう。今夜の眠りを妨げるこ
ととなるでしょうから。それはあなたへのささやかな忠告です。
つづく
HVJ36211〜ごんた..