AWC 『ある雨の日に……』(6)磯崎節子・一宮ゆかり・小嶋淳


        
#480/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (NNH     )  87/11/10  18: 1  ( 47)
『ある雨の日に……』(6)磯崎節子・一宮ゆかり・小嶋淳
★内容


                   ある・雨の日に……

                                                          原作  磯崎節子
                                                                一宮ゆかり
                                                          著作  小嶋  
                                  6

  あれから一週間がたった。
「あのー。岡崎久美さんは?」
  いつものように4人で喋っていると、久美は1人の女の子に呼び出された。その子は
以前に達也と歩いていた子であった。
「私、達也君のこと好きです。ずっと前からそして今も……貴方が恋人なんて、憎らし
くて、羨ましくて……悪戯電話したの私です。手紙も書きました。ごめんなさい」
「……ううん。もういいの。気にしないで」
「私、達也君にはっきり言われちゃったんです。迷惑だからもう近付くなって。すごく
辛かったけど、よく考えれば当り前のことなんですよね。本当に色々ごめんなさい」
  そう言うと彼女は走り去ってしまった。久美は小声で後ろ姿の彼女に向かって、
「ありがとう」
  と、つぶやいた。
「久美、良かったね。達也君はっきり言ってくれて」
「うん、でも彼女かわいそうだったな」
「もう、それだから久美はいけないんだよ」
「ねえ、あれ達也君じゃない?」
「あっほんとだ。ほら、久美行くんだ!」
「だめよ、さっちん。久美にそんな勇気あるわけないじゃない」
「へん。岡崎久美は頑張るマン!」
  久美は達也に向かって走り出した。
「達也!」
  街角ではもう新緑が輝いている。
…………もうすぐ・夏…………。

                                                 −End…To be continued

                              あとがき

  そろそろ大学に入って2年になろうとしているのに、単位が全然ない、これは困った
ことですなぁ。
  ま、なにはともあれ毎日目まぐるしい生活の中で生きてます。
  で、この話は3年前、僕が高校2年の冬に友達2人と、ワイワイガヤガヤと作りまし
た。
  なにぶん自主映画の脚本のつもりで書いたので、台詞が大部分をしめています。
  が、とにかく記念すべき1作目を読んで頂いて感謝、です。
  じゃ、またね。
                                                          1985年 3月





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