#1842/3615 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 21/07/06 17:19 ( 27)
視聴計画重複回避至極困難 永山
★内容
スカパー!お試しを利して、日本映画チャンネルで放送の松本清張ドラマ「知られざ
る動機」を録画視聴。ネタバレ注意です。
原作小説は松本清張「新開地の事件」とのことで、未読です。タイトル変更の理由が
ちょっと気になる。
元々は、地上波の日本テレビ系列、火曜サスペンス劇場枠で一九八三年に放送された
ものらしいです。
さすがに古めかしいかと思ったけれども、それは全体の雰囲気だけで、物語としては
さほど違和感なし。携帯電話の類がないことを除けば、充分に鑑賞に堪えうる。
ただし、お茶の間的には、今の時代、ちょっと厳しいかもしれない。これといったア
ダルトシーンがある訳ではないんですが、夫と母親が肉体関係を持っているという設定
が、結構生々しく描かれており、しかもねちっこい。母親役の俳優の演技と相まって、
生理的にとても嫌な感じ。
この母親が自己中心で気分屋で、自分のためになら平気で嘘をつく。行動原理も一見
すると支離滅裂で、何考えているのか理解しがたい場面も幾度かあった。殺人が起きな
い方がおかしいぐらい。
事件の構成、謎の設定は現代のミステリに慣れた視聴者目線で言うと、シンプルな方
でしょう。根拠はなくても想像が付きやすい真相でしたので、驚きは薄い。作中の刑事
が述べた手掛かり・根拠は面白かった。
翻って、ドラマのタイトル「知られざる動機」ですが、ぴんと来ません。確かに動機
は、作中人物にとっては知らないものだったでしょうけど、視聴者には分かり切ったこ
となので。そんなこと言い出したら、犯行動機の大半は知られざるものになる。
いや、もちろん、ある人物がある行動を取ることによって利益を得ており、ここを差
して知られざる動機と呼ぶのは、分からなくもありませんが……それでもやはり弱いと
思う。
「知られざる犯意」か「殺意は幾重にも重なる」ぐらいが適当じゃないかなと。
ではでは。