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★タイトル (CKG ) 99/12/10 13: 0 ( 54)
@コラムbP09 国民から選挙権を奪うな ヨウジ
★内容
今回の衆院比例区定数を20削減する法案の目的は、口実にしている国会議員
のリストラにあるのではなく、完全小選挙区制に更に近付けようというところに
あることは明白である。「国民が不景気で苦しんでいるのだから国会議員もまた
自分の身を切る思いで定数を削減することで政治姿勢を示すべだ」というのは、
耳当たりの良い口実で国民を騙し一部政治勢力の立場を有利に導こうという企み
だ。
小選挙区制とはコンピュータのように民意を1か0かの2つに単純化して政策
決定を速めようという観点からのみ考えた制度である。ところが現実の社会は複
雑・多岐・多次元なアナログ事象であるため1か0かではとても表し切れないも
のである。デジタルであるCDプレーヤが良い音を鳴らすのは言わば選挙区が無
数に設けられ議員定数が何十万もあるからに他ならない。
小選挙区制は自ずと二大政党制へと導く制度である。多様な民意を2つの政党
で代表させようという制度である。例えば現状の国会の勢力分布に当てはめれば
自自公と民共社の2大政治勢力からの構成となる。ところは現実は自自公が一枚
岩になっているわけではなくかなり無理をして連立を組んでいる。他方の野党側
も一時凌ぎに共同歩調を取っているだけであり、とても一つの政党にはまとまれ
ない。自民と自由は企業や農業の利益を代表する政党である。民主は企業の利益
を代表する勢力と労働組合の利益を代表する勢力の寄り合い所帯である。公明は
主に宗教の利益を代表する政党である。共産や社民は労働組合や中小企業や一般
市民の利益を代表する政党である。これまで政権を取って来たのは自民・自由・
民主の一部と言った企業の利益を代表する政党であった。もし、この状況で完全
小選挙区制が敷かれれば残る政党は企業の利益を代表する政党のみとなることは
確実である。よって、国民の大多数を占める弱者や労働組合や一般市民の利益を
代表する政党は消滅させられることになる。
国会には2つの政党しかなくなるから議論は形式的に行われるだけですぐに強
行採決される。国会など必要なくなるのだ。国会中継も必要なくなる。国民は何
も考える必要がなくなる。国家の下部になるだけだから。
選挙になっても投票する政党がない。二大政党のどちらも我々庶民のことは眼
中にない。中所得者層以上のことばり考えている。年収400万円台の低所得者
層の存在を無視して消費税率の大幅引き上げを強行しようとしている。年収30
0万円未満の超低所得者になればもう節約できる余地がないから病気になるか、
ルンペンになるよりなくなってしまう。その一方で更なる直接税の課税限度額や
最高税率を引き下げようとしている。
企業論理が優先するから環境問題は先送りが繰り返される。地球温暖化、異常
気象、大気汚染、海洋河川汚染、飲料水や食品の汚染、ダイオキシン汚染、環境
ホルモン、種の絶滅、癌の急増、疫病の蔓延、原発や処理施設からの放射能汚染
・・・等々。
公共事業なのに国民生活に役に立たないばかりか自然環境を壊し借金ばかりが
膨らむ。無駄な公共事業は少しも減らさないで、国の財政が苦しいと少子高齢化
や福祉予算の増大を口実に消費税を「国民福祉税」などの名前に変えて税率を大
幅に引き上げようとしている。庶民の代表は国会にいなくなるからこのような事
態になっても指をくわえて見ているよりなくなる。
そしておまけに憲法が改正され過去の戦争の反省を忘れて軍国主義が復活する。
国旗掲揚や国歌斉唱を拒むと非国民扱いされ国家の差別対象にされる。癒着はな
くならず政権交代も起きない。一党が独裁し法律を思うままに改悪する。右傾化
した極端な思想が国権を牛耳る。
このようなことから小選挙区・二大政党制は我々国民から選挙権を奪うのと同
じだ。憲法改正に匹敵する。民主主義の終焉だ。
ヨウジ
P.S.投票する政党がない国民の不幸を理解できるか。