#3026/3137 空中分解2
★タイトル (HVJ ) 93/ 3/29 6:38 ( 58)
憂鬱な日曜日。 ごんた
★内容
ごんた君のつぶやき 1993 / 3 / 28
〜 地下道の沈黙 / そのメランコリックな陽光 〜
あなたは日曜日、朝早く図書館に行こう!!。眠たいバイト明
けの朝だけれど、、、受け付けのオヤジがブツクサうるさい奴だ
けれど、、、、。
「あ〜あ!。こまるんですよ〜!、期限まもってもらわなくちゃ
ね、、、他の人の迷惑だから、、え〜と。それで名前は?。」
愛想笑いでごまかして、不機嫌に軽く無視しよう!!。
日曜日の銀座線は空いている、、、浅草方面、午前8時50分。
その頃、あなたはバイト明けの疲れた足取りで家路に向かってい
る。上野、午前9時。「あ〜あ、、乗り換えが面倒くさい、、」
地下道の憂鬱なホームレス、、、、、やっぱり、ちょっぴり、、
うざったい、、、。ごろりと横になっている人影。湿ったような
新聞紙、、、、。階段に座り込んだまま動かない。目を合わせな
いように意識しよう。雑踏の中、不思議な沈黙があなたを横切る。
こんな朝、、憂鬱、、それ以上でも以下でもない。そんな気分。
街はすっかり春めいているのに、、、、スポーツ紙と、薄汚れ
たダンボール紙。視線を心持ち下げながら、、、足元だけを見つ
めよう。ポケットの中、、、イオカードをまさぐりながら、、。
なんとなく読書してみたくなる。なぜだろう?。地下道に憂鬱
な朝を迎えるたびに、、、ホームシックな人影、、、。返るべき
家路を忘れたかのよう、、、。人生の「影」をしょいこんでいる。
孤独の果て、、傷ついた心を慰めるのには、どのくらいの時が必
要なのだろう、、、。閉ざされたままの沈黙を、、。
あなたは薄ぐらい本棚と本の重みに押し潰されそう、、ハード
カバーの重みを腕に感じながらカウンターに向かう。不機嫌そう
に無口なオヤジが、そんなあなたを睨み付ける。あなたは睨まな
い、、、ただ、愛想笑いをする。「おねがいします、、」かすれ
た声で、そう、ポツリとつぶいて、、、。
「コレクター」「旅路の果て」「ママ・アイラブユー」
「影は知っている」「森のバルコニー/狭い水路」
「それぞれの海へ」「キルト」「ザ・ロンリー」
「ここがホームシック・レストラン」「美しい夏/女ともだち」
何から読み始めよう、、、、。眠たげに目蓋をこすりながら、、、
入れたてのコーヒーが口に苦い、、煙草はハードコンタクトな瞳
に痛いだけ、、、。
春色な朝の陽光が、あなたには、ただ、邪魔なだけ、、。
憂鬱を知るとき、あなたはぼんやりとハードカバーを手にしたく
なっているはず、、。空回りな街の生活から逃れたいはず。
地下道の、あの重たげな沈黙が辛すぎる。 ごんた