AWC いきなり名場面(2)    みやび☆ゆきの


        
#2932/3137 空中分解2
★タイトル (XDH     )  93/ 2/28   1: 4  ( 62)
いきなり名場面(2)    みやび☆ゆきの
★内容


 ファースの叫びにダレスは冷たく応じる。
「貴様らが変われる時間なぞ、誰が与えると言った?それこそ人間のエゴというもの
だ!」
「違う!人の優しさや愛はそんなものじゃない!」
 ファースの悲鳴にもにた答に、ダレスは唇を歪める。
「愛?フン!その愛するという行為の結果貴様は何を得た?姉を失い、そして愛する
者までも失ったではないか。」
「・・・」
「愛する者一人守れずに何が愛だ!貴様の幻想を聞いていると片腹痛いわ!」
 ファースの剣を振るう姿に怒りが見えはじめた。
「黙れ!貴様達が現れなければ何も失わずに済んだんだ!それを、貴様が闇が壊した
んだ!」

 ダレスはファースのその言葉の中に人を見いだしていた。
 そう、世界を滅びの道に追いやって、平然としている“人間”を。
「どうやら・・・貴様もバカな人間と、同じだったな。」
「そうだ!俺は人間だ!人として貴様を、倒す!!」
 ファースの光の剣が輝き出す。
「豚のように死ね!ファース!」
「死ぬのは貴様だぁ〜っ!」


 ダレスとファースの力はほぼ互角だった。しかし、ファースは怒りから平常心を
欠き、ダレスの前に破れ去ろうとしていた。
 暗黒の宝剣がファースの心臓を貫こうとしたとき、ダレスの体を縛り付ける力が
あった。

「ファース、いまです。」
「いまよ、ファース!」
 ファースの姉と恋人の声が聞こえてきた。
「くっ!亡霊どもがっ!」
 呪縛を振り解いたダレスの胸に光の剣が突き刺さった。
「グゥォォォォォォォォォォッ!」
 ファースの歓喜の声。ダレスの絶叫。
 ダレスを倒した。そうファースは確信した。しかし。絶叫は嘲笑へと変化していく。

 ダレスの心臓を貫いた光の剣が、突き刺さった部分から崩れ落ちた。

「そんな・・・馬鹿な・・・」
「なぜ貴様が封印の水晶などを使ったか、今解った。光の剣は貴様を認めていない、
人間をなぁ〜。」

 ダレスの暗黒の宝剣が光だす。

「敗けるかぁぁ〜っ!」

 暗黒の宝剣がファースの鎧を貫き背中から切っ先を出した。
 ファースの体が崩れ落ちる。その死体を見つめるダレスの頬に傷があった。死体
から剣を抜き、首をはねる。

 ダレスの元へと、12将がやってきた。一人の欠員もなく、である。
 この瞬間、光は、自らを光の陣営と称した人間たちは負けたのだった。

そして、新たな時代が初まる。

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                            XDH47976
                            代理 みやび☆ゆきの
                                                        作者 鹿野 貴史




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