AWC リレーA・B>第1回 プロローグ


        
#212/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (AWC     )  87/ 7/ 7  14:40  ( 16)
リレーA・B>第1回 プロローグ
★内容

 その学生風の男は、生温い風の吹く送迎デッキに突っ立っていた。何か考え
ごとをしているらしく、前の方でいちゃついてるカップルの女のスカートが、
突風で捲れ上がって中が丸見えになっても、足元に100円玉が落ちていても、
ただ突っ立っているだけだった。
 そんな彼の目の前を、夕焼けに機体を染めたジャンボが滑走路へゆっくりと
進んで行く。
「さようなら。」
とそのジャンボに向かってつぶやくと、出口へとぼとぼ歩き出した。
 男がバイクにまたがってヘルメットを被り、エンジンを駆けた時、先刻のジャンボが
轟音を響かせて飛んで行った。尾翼に反射した太陽が一瞬、後を追っていた男の眼を
とらえた。
「また、会えるといいね・・・。」
と、再びつぶやいた。夕焼けの空に吸い込まれていくジャンボにむかって・・・。

                                <つづく>




前のメッセージ 次のメッセージ 
「CFM「空中分解」」一覧 リレー小説の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE