AWC 『Get Sets』 〈4〉 Last Fighter


        
#134/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DGJ     )  87/ 2/22  11: 9  ( 94)
『Get Sets』 〈4〉  Last Fighter
★内容
.
 キョトン
 おれたちは、目の前に投げ出された武器をしばらく見つめていた。
−−−−−−− 20秒の沈黙 −−−−−−−
 おれたちは、たがいに見つめあった。
−−−−−−− 30秒の沈黙 −−−−−−−
 おれが先に口を開いた。
「まだ、こっちに運が残ってるってことかな?」
「かもね」
 武器は全部、透明シールドボックスの中に入っており散らばっていない。つ
まり、トランクの中に入っていた状態のままおれたちの前にあるのだ。
 ミラーンがすばやくシールドボックスを開けた。
 武器があるある。ガンはもちろん、ハンド・バズーカー、ブラスター、ライ
ト・スウォード、ファイヤーボム、etc...
 二人ではもちきれないほどあった。
「よくこんなに集められたなー」
「無駄口いってないで、はやく取りなさいよ」
 ミラーンは早くも武器を取りはじめていた。
 おれたちはここに来るまえに、すでにガードジャケットを着用してきたので
防御面ではまかなっている。
 げんに、シールドボックスに入っているのはオフェンスウエポンばかりで、
ディフェンスウエポンは、まったく入っていなかった。
 おれはまず、いままで持っていたレイガンを捨て、レーザーガンと予備カー
トリッジを2つ取った。腰にライト・スウォート゛、ほかにはファイヤーボム
(投げると烈しい爆発を起こす)をできるだけ持った。
 出来れば、ハンド・バズーカーも持っていきたかったが重すぎて移動に支障
をきたすのであきらめた。
 ミラーンは、手にはブラスター。ポケットに電磁メス。ファイヤーボムはや
はり持てるだけもったらしい。
 おれたちが装備を終えると、敵の攻撃が止んだ。
 こっちがエネルギー切れでどうしようも無くなったと思ってるのだろう。
 エア・カーとその他のガレキで、おれたちのいる場所は見えなくなっている
ことが幸いした。
 おれとミラーンはハンド・バズーカーに弾をこめた。
 ギャングたちの先頭のやつらたちがゆっくり近ずきながらレーザーを撃って
きた。おれたちはじっと待った。おれたちが撃ち返さないのをみて、ギャング
たちは安心したのか、ばらばらと近ずいてくる。
 ミラーンがタイミングを見計らって叫んだ。
「今だっ!」
 おれはバズーカーの引き金を引いた。とたんにギャングが数人ふっとんだ。
2発、3発とつづけて撃つ。ミラーンのバズーカーも火を吹いている。ギャン
グたちは、エネルギー切れだと思っていた敵が急に反撃してきたのに驚き混乱
している。
 おれたちは装備している以外の武器を、あらんかぎり乱射した。
 ギャングたちの人数が、1/3位になったときミラーンが叫び駆け出した。
「GO!!」
 おれも、レーザーガンを引き抜き後に続く。ギャングたちの混乱がおさまら
ないうちに、ここを突破しなくてはならない。
 走りながら、ファイヤーボムを投げ散らした。
 真前を走るミラーン以外は敵だから、同志打ちがなくていくぶん楽だ。
 敵のレーザーのいくつかが、かすったがガードジャケットのおかげで平気で
ある。
「こっち!」
 ミラーンが叫んで建物に入っていった。どうやらそこがギャングの本拠地で
あるらしい。
 おれの前に数人のギャングが立ちふさがった。
「じゃまだ!」 おれは叫ぶと同時に一人の顔面にパンチをくらわせレーザー
ガンを撃ちはなつ。あっというまにギャングが多量の肉片に変わった。
 おれは、建物に入りしばらく突き進んだ。
 するとミラーンが途中で、撃ち合いをやっている。幅、2〜3mの直線の廊
下の所であり先に進めないのだ。おれは、ファイヤーボムを敵に投げ込んで走
りこむ。ミラーンが後をつづく。進むと、ギャングたちり壁があった。乱戦で
ある。
 目の前のやつのみぞおちにキックをいれた。倒れたひょうしで周りやつらも
バランスがくずれた。すかさずレーザーガンをしまい、ライト・スウォードを
抜いた。無気味な光がスウォードから放たれる。まよわず振り抜く、ギャング
の鮮血と内臓が飛びちった。
 ミラーンも電磁メスでギャングを対応していた。
 これだけ乱戦となるとガン類は、同士討ちをしかねない。ギャングが左右か
ら殴りかかってくる。おれは前に転がり込む。立つとミラーンと背中と背中が
合った。
「ミラーン。君、素人じゃないな...」
 ミラーンは、はっきりとした口調で答えた。
「...ええ」
「なるほど」
 おれは前に踏み出してギャングを一人斬り倒した。
「だれなんだ、君は?」ミラーンに聞いた。
「国際刑事よ」
「ふむ」さらにスウォードを振り切る。血がシャワーごとく降りかかって来た
おれは顔に浴びた血を、拭った。
 おれたちの周りは、さながら地獄絵である。
「最近の合成写真の技術は進歩したもんだ。」
「でしょ? でも事件それじたいは本当の事」
 ミラーンの左右のギャングが、断末魔の悲鳴を上げて真っぷたつになった。
電磁メスを片手に顔色を変えずにミラーンは言った。
「あなたの力をためすことも含まれてるけどね。」
「ためしてどうするんだ?国際刑事にでもスカウトするきかい?」
「せ・い・か・いっ!」
 おれはこの場所の最後のギャングを斬り捨てた。
 少し、息が荒くなっていた。無理もない現役から二年たってるんだ。
「こんな素人をスカウトするきか?」おれはミラーンをちらっと見た。
「とぼけても無駄よ」ミラーンは電磁メスをしまいながら...
「元クラトル軍中佐、Mr.マックストルド」
                〈つづく〉




前のメッセージ 次のメッセージ 
「CFM「空中分解」」一覧 尉崎 翻の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE