#3652/3653 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/10/14 18:03 ( 28)
ミステリと言うよりもドラマ 永山
★内容
WOWOWのドラマ「夜の道標 ―ある容疑者を巡る記録―」最終回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
最終回の最後で、タイトルの意味を回収。なるほどそういうことだったのかと思う一
方で、答が明かされるまでに視聴者が言い当てることはもちろん想像するのも無理だろ
うなあ。(^^;
事件が起きるには相応の理由がある。ましてや殺人ともなると――そういう思いを強
くした展開でした。阿久津の母親の感覚がだいぶおかしくて、だめな方だめな方を選ん
で進んでしまった感じ。当時の状況及び周りの環境もあるにしたって、事件発生につな
がったのは彼女の言動が最大の要因としか。ただ、だからといって、阿久津に真実を伝
えないまま一生をやり過ごすというのもどうかと思うのですが、正解は何かって言われ
ると……誠心誠意の謝罪しかないのかな。ドラマではその謝罪の部分が、また徹底的に
欠けていた。阿久津の優生手術に関わった者のほとんどが、「私は悪くない」「医者の
仕事としてやった」「今でも正しかったと思っている」等とのたまう。その裏の気持ち
まで明確に描写された訳ではないけれど、自己保身の心理が働いている者もいれば、本
気で正しかったと信じている者もいるんでしょう。私達視聴者も、当時のこと及びそこ
からつながる現状をよく知らない・関係ないですませているという観点から言えば、似
たようなものかもしれなません。
平良刑事の若い上司が、権力を頼りに美味しいところだけ持っていくぼんくらに見え
てしょがなかった。型通りの捜査で解決できる事件については強いんでしょうけど、ち
ょっとレールを外れるとてんでだめなタイプ。作中、失敗をしでかす訳ではないにもか
かわらず、とにかく邪魔だった。(^^;
平良刑事と息子との関係は、阿久津の事件解決を経て経験を積んだ平良が歩み寄っ
て、和解。と、割と定番の流れでした。息子の方がもうちょっと怒りを露わにするとい
うか、感情を吐露するシーンがあってもよかったかなとは思った。
殺人事件を扱っているけれども、ミステリ的趣向は淡泊。だからといってこれは不満
ではなく、とにかく“人”“親子”を描いた良作でした。
ではでは。