AWC 『赤鬼』の件の続き   永山


        
#2336/3609 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #2331 ***
★タイトル (AZA     )  22/08/31  19:25  ( 76)
『赤鬼』の件の続き   永山
★内容
 調べる過程で気付いたんですが、『泣いた赤鬼』の著作権が切れるのは二〇二三年と
思っている人が結構多い様子。
 作者の浜田広介が一九七三年の十一月十七日にお亡くなりになっているから、そこへ
五十年を足して、二〇二三年の十一月十八日には著作権切れ……という計算なんでしょ
う。
 が、この認識はどうやら色々と誤りのようで。
 まず、著作権の保護機関は「作者の死後五十年」というのが誤り。二〇一八年に、新
たに「作者の死後七十年」と定められ、その時点で著作権切れになっていない物はすべ
てこれが適用されるとのこと。
 ならば単純に二十年をプラスして、二〇四三年の十一月十八日以降に切れるのかとい
うとそうではなく、著作権の期間計算は、作者が亡くなった翌年の一月一日を基準とし
て算出するんだそうです。
 ということはこのケースでは、一九七四年一月一日が出発点になるので、二〇四四年
一月一日以降に、『泣いた赤鬼』の著作権が切れると。
 よし、じゃあ二〇四四年一月一日に拙作が公開されるよう、各小説投稿サイトで予約
設定しておくか。(^^;ムリ

 真面目な話、そのときまで無事に過ごせているかどうかなんて、かなり不確かな訳
で、だったらせめてアイディアの形で、ここ(と他にも何箇所か)に書いておこうと思
った次第。
 そんな訳で、なるべく『泣いた赤鬼』の要素を取り除き、アイディアの核となる部分
を記述してみます。
 と、その前に……そもそも、「Xに好かれたいAが、仲間Bに頼んでXに絡んでもら
い、Xのピンチに駆け付けて見事救出、めでたしめでたし」という部分のみ取り出して
見てみれば、そこいら中に転がっている話でしょう。なので、赤鬼・青鬼の要素とラス
トの手紙を取り除けば、各個人の創作としてこしらえるのは問題ない気もしますが、そ
こはそれ。『泣いた赤鬼』が元ネタとして存在しているからこそ、面白くなるケースも
多々あるでしょうし、一概には言えますまい。

             *           *

 伝統的に長らく相容れない二つの人種甲と乙があった。甲は各人が一匹狼的に過ごし
てたまにつるむ程度、乙は集団で暮らす形態を取る。過去にも色々あったが、現状では
甲が乙を武力で圧している。
 甲グループの男Aはしかし、乙グループと仲よくなりたいと思っていた。乙グループ
の女Xを見初めて恋愛感情を抱いたことを端緒としていた。
 AはXにアプローチを掛ける。当然拒まれるが、二人きりになれる場面を見付けては
辛抱強く接し、優しさや親切なところを行動で示す。するとXにも気持ちの変化が現
れ、密かにAと会って話をするくらいの仲になる。
 Aは乙の全員に認めてもらい、乙の村に受け入れてほしいと考えるようになる。
 そんなAには唯一、腹を割って話せる甲の親友Bがいた。BはAがXに気があるらし
いことを薄々勘付いており、言い出せない様子のAを見かねて、逆にBからAに水を向
けた。
 Aは最初ごまかそうとするも、やがて認め、どうにかならないか相談を持ち掛ける。
Aの気持ちがまさか乙グループに入りたいと願うほどとは想像していなかったB。一時
的に動揺したがそれでも相談に乗り、協力すると約束した。
 数日後の深夜、家の戸を激しく叩く音で目覚めるB。Aが来ており、血走った目で興
奮気味に言う。「妙案を思い付いた。Bが協力してくれればうまく行く」Aが自信あり
げに語った作戦は――乙の村でBが暴れ、人々に害が及んだところへAが現れる。Aは
Bに立ち向かい、追い払う。これにより乙の者達はAに感謝し、やがて受け入れる――
というもの。Aはすぐに実行したいという。Bは練習を重ねて完璧にこなせるようにす
べきだと難色を示すも、Aは気持ちが逸っているのか、今夜は天気も月もいい具合に薄
ぼんやりしている、それに練習なんてしていたら他の甲の者や乙の連中に露見してしま
う恐れだってある等と理由を挙げて、即座の実行に拘った。熱意にほだされ、承知する
B。
 夜明け前、筋書き通りにBは乙の村に出向き、一暴れ。物を壊し、連中に軽い怪我を
負わせる程度に乱暴狼藉を働いたところへ、A登場。
 Bは適当にやり合ってから退散する。その背中目掛けて、刀が振り下ろされた。
 乙の者が勇気を振り絞って斬りかかってきた? 振り返ったBの目に映ったのは、刀
を持ったAの姿。理解に苦しみながら、Bは何も言わずに逝く。
 何故、AはBを罠に嵌めたのか? Aは当日、Xに夜這いを掛けようとするも、その
母親Yに見付かり、失敗。弾みでYを死なせてしまう。Yの遺体には甲の者が襲った証
が残っている。狼狽したAだがXをあきらめきれない。親友Bに罪を擦り付けることを
思い付き、苦渋の決断で実行した。
 その後、Aは甲に受け入れられるも、親友を陥れた罪の意識は日々大きくなるばか
り。ある晩、寝言で秘密を口走ってしまった。隣の寝床でそれを聞いたXは……。

             *           *

 以上になります。
 別バージョンとして、「Bが逃亡に成功したあと、密かに訪ねてきたAに謝礼の酒を
もらい、混入された薬によって意識朦朧になり、Aの語る事の真相を聞きながら始末さ
れる」パターンも構想しています。
 もし先例があったらすみません。偶然の一致です。

 それでは。




元文書 #2331 使い回しというのでもなく   永山
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