#2311/3612 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab ) 22/08/11 09:01 ( 43)
ポーの「盗まれた手紙」に関して 朝霧三郎
★内容
ラカンという人が「盗まれた手紙のセミネール」というのを書いている
(或いは講義か)のですが。
なかなか難解で。
そこで、ポーの手紙とは何かという事が言われているのですが、
手紙とは何か、というと(私なりに解釈すると)日本でいうところの空気、
戦中ならば、大東亜共栄圏の様なもの、
或いは、目上の人は大切にしなければいけないという倫理観の様なもの、
みたいな感じのものだ、と言われていて。
それをラカンの用語では、シニフィアンとか「大文字の他者」とか言うのだが、省略。
そして、そのシニフィアン=手紙は、嫌だと思ってもそれに振り回される性質があり、
そして、シニフィアンには反復する習性がある
(嫌な事でも繰り返しやってしまう。拒食症患者のリスカみたいな感じか)
と言います。
だから、大臣やデュパンの視点が入れ替わり(反復)、
そして、みんなが手紙に振り回されると。
それは、私のたとえでいうなら、戦前の日本では、
みんなが、大東亜共栄圏(玉砕してでも国体を守らなければいけない)
という価値感に振り回されていて、
嫌な事でも繰り返しやる(特攻など)という感じだろうか。
今でもそういう空気はあるにはあるのでは。
天皇は神聖にして犯すべからず、みたいな雰囲気がない訳でもなく。
逆に天皇は清潔でなければならず、小室さんの様な自由さは大衆は嫌うだろう。
そういうのがシニフィアン=手紙だというんですね。
ポーはそんな事考えていたのか。
(そんな事を考えたのは、
今計画している作品で、
真犯人の本棚に、「太陽にほえろ! マカロニ死す」、「愛と誠」、
「ウルトラマン7最終回」、「ベルサイユのばら」
など、主人公が死ぬ漫画やDVDが並んで置いてあって、
ガイシャは、その漫画やDVDの通りに何故か死のうとする、
しかも、自分からその様な死に方をしたいと思う、
という設定を考えているのですが。
それって、ポーの「盗まれた手紙」が暖炉の上においてあるのに
似ているなあ、
と思って、ネットで調べてみたのですが。)。
(ポーの「盗まれた手紙」というのは普通はどの様に
読まれているのでしょうかねえ)。