AWC ゆるサス   永山


        
#2266/3619 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  22/06/27  17:40  ( 34)
ゆるサス   永山
★内容
 BS松竹東急で二時間ドラマ「48時間の恐怖 時計の針がナイフに変わるとき」
(二〇〇四年制作)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作は、笹沢佐保による小説『時計の針がナイフに変わるとき』(講談社)で、未読
です。
 むか〜し、聞いた評判では、原作小説は佳作とのことで期待していたのですが、いま
いちでした。浮気相手の女性を殺した犯人だと誤解された主人公が、幼い娘を女性の夫
により誘拐され、「妻を不倫の果てに殺害したと、遺書をしたためた上で、四十八時間
後のテレビの生中継で自殺しろ」と要求を突きつけられ、懊悩する、義理の妹の励まし
もあって、自力で殺人犯を捜そうとするのだが、タイムリミットはどんどん迫ってくる
……というサスペンス強めの設定なのに、はらはら感がちっとも盛り上がらない。主人
公が基本的に犯人の言いなりで、警察に届けないし、自殺する気満々になっているし
で、もうちょっとやりようがあるんじゃないかと視聴者に思わせてしまうのがよくない
んじゃないかなあ。確かに理不尽な要求をされてはいるけれども、他に打つ手がないん
だってことを示せていないから、感情移入が中途半端になった。
 被害者が主人公と会う直前に掛けていた電話での断片的な言葉が、真相究明の手掛か
りになっている。それらがどれも一筋縄でいかず、本当の意味を掴むまでに少なくとも
ワンクッションあるのですが、これを一般素人が限られた時間内に突き止めるというの
は土台、無理がある。大勢の刑事が一斉に取り組んで真実に辿り着くスタイルの方が合
っていたんじゃないかと思ったです。
 もちろん、作者が従来のありふれた形式を避け、変わったスタイルのミステリを目指
したのはよく理解できますし、主軸となる状況設定も充分魅力的だと思う。なので、こ
の状況設定のまま、主人公をもう少し理知的なキャラクターにし、警察と密かに連携を
取りながら、対策を立てる、という風に話を運べば、サスペンスも狙い通りに盛り上が
ったんじゃないかしらん。
 捜査の展開に引っ掛かる点がいくつか。目撃者の証言により、現場を立ち去った男の
似顔絵が描かれるが、これが主人公そっくり。被害者と主人公は学生時代の親しい友人
で、最近も行き来があった。なのに警察が主人公に話を聞きに来るのに、事件発生から
一月半も掛かっている。
 主人公の義理の妹を、刑事が尾行する描写があって、その次に義理の妹は何者かに殴
られて気絶、監禁される。が、刑事は尾行途中で見失ったのか、助けに来ない。しかし
義理の妹はいよいよピンチになったとき、突如として刑事が飛び込んで助けてくれる。
何だこれ?(^^;

 ではでは。





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