#2180/3627 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 22/04/13 20:05 ( 29)
“大人向け”とは? 永山
★内容
ある小説新人賞の募集要項に、求めている作品として「大人向けのキャラクター小
説」とあったのですが、これがよく分からない。
あ、いや、ぼかしてもしょうがないので明記すると、賞は富士見ノベル大賞です。
サイトで紹介されている歴代受賞作のカバーを見ると、ほとんどがとても大人向けと
は思えない絵に感じられました。中身を読まずに言うのはいけないことですが、粗筋に
目を通しても印象は変わりませんでした。
で、やっぱりまったく読まないのはまずいよなと思い直し、表紙絵が大人向けに思え
る物とそうでない物を少なくとも一作ずつは読むべきかと迷っていましたが、公式サイ
トで二年ほど前の各受賞作が試し読みできる仕様になっていたのに気付く。(^^; これ
幸いと序盤を読んでみまして、結果、表紙絵の印象通り。これはまあ大人向けの絵柄だ
なと感じた作品が、ぎりぎり中身も大人向け、そうでない作品は内容も大人向けではな
いように感じられた次第。前者もぎりぎりと形容したように、展開がシリアスなだけ
で、テーマや設定は大人向けとは感じられなかったんですが。
他のレーベルがどうかは知りませんが、改めて思ったのは、“大人向け”という表現
を用いるとき、それは単に成人年齢に達していればいいのかという疑問。“大人向け”
なる言葉の持つ語感には、「(家庭を持っていてもおかしくない、いい歳をした)大人
の観賞に応える物語」ぐらいのニュアンスがあるものと、私は漠然と考えていたのです
が……最近の世間的には違うのでしょうか。
あくまでも私見に過ぎないのかもしれませんが、少なくともこの賞の主催者が欲する
傾向の作品群を募りたいのであれば、“大人向け”という幅広い表現は合っていない気
がします。十八歳から(せいぜい)三十代までの年齢層を読者として想定しています、
ぐらい明記すべきなのでは。あまり使われなくなりましたが、ヤングアダルトとか。
結局、募集要項で謳った“大人向け”とは、“従来の(よくある)ライトノベルとは
一線を画す”ぐらいの意味合いなのかな、と現時点では想像しています。
ではでは。