AWC 色々と怖い話   永山


        
#1769/3624 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/17  20:57  ( 36)
色々と怖い話   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(二〇一五年 米
国)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 二〇〇八年、リーマンショックにより世界の経済が壊滅的な打撃を受けたその裏で、
経済が破綻する可能性が高いと早くから予見し、逆手に取ることで大金を得た四人(四
組)の男達がいた――というノンフィクションを基にした映画ですが、全部が全部事実
をありのままにって訳じゃないみたいです。
 というのも、作中で登場人物が突如カメラ目線になって、「ここは虚構だ。資料を拾
った事実はない」みたいな台詞を吐く場面がいくつも出て来るので。他にも、二〇〇八
年以降の視点で語るくだりがあったり、あちらの著名人らしき人達が(恐らく畑違い
の)経済の仕組みを説明したりと、明らかに作り物の箇所がありますし。メタフィクシ
ョンというよりは、西洋流ブラックユーモアのように感じられました。
 この手の経済ドラマ作品によくあるように、本作も専門用語が飛び交い、しかもその
多くは丁寧な説明なしに、どんどん進みます。加えて、当時の出来事や流行が当たり前
のように挿入され、ネタとして会話に取り入れられもしているので、十全に楽しむため
にはそういった辺りも知識として持っている方がいいんでしょうけど、まあ全部を把握
するなんてどだい無理な話。私の場合、観ながら気になった事柄だけさっとネット検索
して、補っていました。※ざっと検索しただけでは理解できないものも一部あった。企
業が債務不履行や破綻することで利益を得る金融商品て、どこからその利益が生まれる
のやら?
 で、分からないなりに面白いんですが、タイトルにある“華麗なる大逆転”という印
象は全くなかった。
 我々観る側は、顛末を知っていることもあって、一部の銀行・投資会社・格付け会社
なんかがいい加減な仕事をして(あるいは仕事をせずに)、いかに“Shit”であっ
たかがよく分かるし、リーマンショックによってそういった連中がどえらい目に遭う姿
に、ざまあみろと快哉を叫ぶ訳ですが、当時の感覚では結果的に大金を得ることになる
面々の方が“頭のおかしい人達”だったんでしょう。大いに稼いだ人達も大なり小なり
苦悩していたことも描かれていて、非常に興味深かった。世界経済が大ダメージを負っ
て数え切れない人達が破産して路頭に迷うと分かっていて、自分達は大金を掴むという
構図ですね。
 その後、金融業界に国のより強い規制が入って、改善されたように見える反面、似た
ような商品を作り出しては危うい取り引きを煽っているという、結局は変わってないん
じゃないかという空気で幕。
 日本国内で地上波放送されたことあるのかしらん? 放送すれば翌日からしばらく金
融商品が売れなくなるかも。(^^;

 ではでは。





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