AWC 投げっ放すときの作法   永山


        
#1016/3613 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  19/06/25  19:56  ( 25)
投げっ放すときの作法   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「検察側の罪人」を録画視聴。
 二〇一八年の日本映画。原作は雫井脩介の同名小説で、未読です。
 アガサ・クリスティ『検察側の証人』の向こうを張ったような、法廷ミステリを期待
していましたが、そういうのとは全く違った。
 観ていて、ああこれは原作とはだいぶ違ってるんだろうなと強く感じました。なの
で、視聴後に検索してみると案の定。結末まで変えてあるとか。私の感覚では多分、小
説で読んだ方が頭に入って来やすく、面白く感じられる作品だと思います。
 映画では、連発する専門用語に何の解説もなし。そもそも各人物の喋りが用意してあ
る台本を読んでいるかのような(まあ、実際に台本通りなんでしょうけど)早口で、現
実世界でこんな会話はあり得ないというシーンばかり。非常に疲れる。
 一番参ったのが、映像と音声が別々のシーン。映像では一人の人物が何やら意味あり
げな行動をしているところを描き、音声の方はまた異なる二人の人物がそこそこ重要そ
うな会話している声を被せてくる。集中できない。録画して観る分には巻き戻して確認
ができるからまだましだけれど、映画館で観た人はどうするんだろう。
 検索の際についでに見付けたんですけど、製作サイドとしては、日本の司法制度に関
する問題点を浮き彫りにて、テーマとして観客の前に提示したらしい。ですけど、観客
に考えさせるとのことで、投げっぱなし感がある。考えさせたいならもうちょっと丁寧
に作るべきだと思うし、作り手の考えも仄めかし程度でいいから示してもらいたいとこ
ろ。
 他に気になったのは、特ダネ目当てで事務官になった人物が、検事の公衆電話の会話
を聞き取るシーン。事務官から見て検事は。吹き抜けのホールのだいぶ下の階に位置し
ており、電話口に向けて喋る声が本当に聞こえるのか、怪しいような。
 とりあえず、エンターテインメント作品ではなかったです。

 ではでは。





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