AWC 本の感想>『絞首人の手伝い』   永山


        
#5210/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  08/10/24  19:58  ( 27)
本の感想>『絞首人の手伝い』   永山
★内容
・『絞首人の手伝い』(ヘイク・タルボット/森英俊 訳 ハヤカワ・ミステリ)
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 フラントが所有する島に客を招き、晩餐会を催しているときに、それは起こ
った。食事の最中に始まった口論がエスカレートし、貴族のテスリンがフラン
トに呪いの言葉を吐いた。次の瞬間、フリントが苦しみ出して倒れる。居合わ
せた医者が診ると、死亡が確認された。その後、数時間経って遺体を見に行く
と、すっかり腐乱していた。
 オッドの呪いとは何か。水の精霊のたたりか?
 続いて、招待客の一人である賭博師が、部屋の中で得体の知れないものに襲
われた。現場は密室状態だったが、水の精霊の仕業なら、どんな隙間からでも
出入り可能?
 カーに比肩する不可能犯罪物の大家とされるタルボットが記した、幻の長編。

 あれれ、こういう作風の人だったっけ? 短編を読んで、とても面白かった
イメージがあるんだけど、本書を読む限り、長編はさほどでもない。
 提示される謎はかなり魅力的だが、これぐらいしかないんじゃない?と推測
したトリックが、ほぼそのまま真相だったため、いささか拍子抜け。
 それよりも、物語の進行が遅くて、読むのがしんどかった。何が起きている
のかを、ぼやーっとさせたまま、次から次へと登場人物紹介が行われたり、探
偵役である主人公が基本的に“嘘つき上等”タイプであるため、どこまで信じ
ていいのか判断しかねたり、あるいはいよいよ推理が始まったと思った途端に、
他の人がやって来て話が中断したりと、わざと読みにくくしているかのような
印象を受けた。
 アイディアは悪くないが、長編にするにはちょっと引っ張りすぎだったとし
ておきます。

 ではでは。





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