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★タイトル (AZA ) 06/06/08 22:50 ( 34)
本の感想>『六月はイニシャルトークDE連続誘拐』 永山
★内容
・『六月はイニシャルトークDE連続誘拐』(霧舎巧 講談社ノベルス)
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霧舎学園の図書館の棚に、私製版と思しきノベルスが二冊、勝手に置かれて
いた。それらのタイトルは、『私立霧舎学園ミステリ白書<四月・密室>』と
『私立霧舎学園ミステリ白書<五月・アリバイ崩し>』となっており、霧舎学
園でこの二ヶ月間に起こった事件を、小説化したものらしい。また、図書館の
コピー機が紙詰まりを起こしており、引っ張り出してみると、何かの図面。さ
らに、そばには、手書きのメモが落ちていた。それらの手がかりから、誘拐が
計画されていると推測した琴葉らだが、警察署長である母に連絡をした矢先、
彼女達自身が誘拐されてしまう。
意表を突く幕開け、奇妙な展開、そして最後に意外な真相が待ち受ける。こ
れぞ、新本格の誘拐ミステリ。霧舎学園シリーズ第三弾。
目新しい趣向を生み出そうという工夫を、まず買います。お約束の、型には
まった中で技を競い合うのも面白いけれど、原っぱでボール遊びを始めたら、
最後は竹とんぼとブーメランで対決していたみたいな、先の読みづらいミステ
リもいいものです。
タイトルに「イニシャルトーク」とあるように、本作はイニシャルがキーと
一つになっています。もちろん、ミステリとして理由あっての仕掛けで、なか
なかユニーク。まあ、「犯人、こんなことせんでもええやん」という気はしな
いでもありませんが。
不満もありますが、特に大きいのは、同じ作者の他の作品を読んでいないと
分かりにくい内容になっている点。しかも、その作品というのが、本作と同じ
シリーズの『四月・』『五月・』ではなく、別のシリーズの一作とくるから、
意地が悪いというか何というか。両シリーズのつながりがどうなるのか、とい
う興味はありますが、やはり本作だけで容易に理解できる作りにしてほしい。
それからこの犯行、たとえ成功していたとしても、あとから調べれば確実に
ばれるんじゃないかな。計画的なんだかそうでないんだが……。
とは言え、読んでいる間は引き込まれました。他の作品との絡みもあって、
気軽には勧められないものの、気楽に読める一品。
ではでは。本日は出先にて、用意していた感想文を。