#3393/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 06/05/27 18:40 ( 53)
読了>『遅れてきたともだち』 ※ネタバレ注意 永山
★内容
読みました。悠歩さんの別名義ですよね?
まず、引っかかった・気になった箇所の指摘から。引用部は例によって、こ
ちらの都合で何らかの加工をする場合があります。ご了承ください。
@引用開始(指摘付き)@
でもぼくは、ちゃあんとわかったと。
↑
「わかったよ」のような気が……
たぶん、十年くらい前のの誕生日だよ。
↑余分な「の」
学校の中で一ばん年下のリンダけは、休み時間のたび、リンダのところへ
↑
「リリィだけ」?
「しってる? せんせいはむかし、ゆちゅうせんの、せんちょうさんだったの
↑
「うちゅうせん」のタイプミスか、それとも舌足らずさを表現した?
@引用終了(指摘付き)@
登場人物のネーミングから、きっと人種に関わることがテーマになるのだろ
うと予感がありましたので、どんな形で扱うのか、あれこれ想像しながら読み
進めました。後半になって、かなりストレートな形で持ち出してきた感があり、
それがかえって意外だったかも。
描写する視点や文字遣いなどから、童話みたいなSFを指向したのだと思え
ますし、ストレートでよかったんでしょう。私みたいにミステリにどっぷり浸
かっていると、ブラックな落ちを常に期待してしまって(苦笑)。
このストレートさもあって、テーマの重さの割に、爽やかな話になってます
ね。単語の選び方などは、SFらしくて、瑞々しいと感じましたし。何よりも、
語り口と段取りが絶妙で、引き込まれました。
長さに比して、キャラクターの数がちょっと多いかな、活かし切れていない
かなと感じたのですが、最後に来て次作があるとのこと。合点が行くとともに、
本作のキャラクターみんなの再登場を楽しみにしています。
シリーズの最後の最後で凄い秘密が明かされる可能性、なきにしもあらず?
――なんて考えてしまう私は、やはりミステリに毒されているのでしょうか。
一つ、腑に落ちなかったのは、リンダをトキオの母と同年生まれにした点で
す。この物語のみに限って言えば、トキオの両親達と同様、リンダの両親も地
球を脱出した別の宇宙船の乗員で、リンダは船の中で生まれたことにしても変
わりないような……。途中まで(と言っても一瞬ですが)、リンダは人種差別
の激しい時代に生まれ、それを常識として身に付けてしまった子なのかなと考
えていました。
この点に関しても、次回以降の続編で活きてくるのかもしれず。まずければ、
スルーしてください。
末永く続けてほしいシリーズになりそう。心待ちにしています。
リンダ・ロンジェクトから、歌手のリンダ・ロンシュタットを連想してしま
って、払拭するのが大変だった(笑)。
ではでは。町内一斉清掃のあとのせいか、指の動きが鈍い……。