#2245/3621 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab ) 22/06/12 08:22 ( 60)
ミステリーの目論見 朝霧三郎
★内容 22/06/12 08:25 修正 第2版
「死の欲動」というのがあるんですね。
普通人間は、生きよう生きようと思いそうですが、
実は、死にたいと思う欲動もあるという…。
三島由紀夫「仮面の告白」に、
「セバスチャン殉教図」を見て射精した、という告白があって、
あれなんて完全に格好よく死にたいという願望だと思うのですね。
そしてそれは肛門性愛とつながっている。
「仮面の告白」はゲイ告白の小説ですから。
死にたい、という欲望は結構普通にあるんじゃないでしょうか。
私の世代だと、
刑事もので「太陽にほえろ!」というのがあって、
ショーケンだの松田優作だのの殉職を「恰好いい」と思っていたし、
梶原一騎原作の漫画などでも、
「愛と誠」の岩清水が「早乙女愛、君の為なら死ねる」とか、
力石徹が白木お嬢さまの為に死ぬ、みたいな。
ダンディズム的な死を求める、と。
女子でも、
「ベルばら」とか「ジャンヌダルク」とか、死への憧れはあるのでは。
そしてこれは、肛門性愛につながっているのですね。
何故かは諸説あって今でも不明です。
元々「死への欲動」を言いだしたフロイト博士によれば、
人間は生まれる前の状態に戻りたがる性質があるのだが、
(何故かといえば、母胎の中ではへその緒がつながっているので、
何時でも食糧が供給されるから、とか)
原初の状態は、人間も原子のレベルでは、原子核の周りの電子が回っている、
みたいな規則正しい活動をしているので、
だから、死への欲動と厳密さとは通底している、とか。
あと、肛門性愛に関しては、フロイトの場合、性は、口唇期→肛門期→男根期
ですから、肛門期に退行したのだ、とか。
その様に説明されていますが。
この理屈を使って、
ニューハーフの風俗で、
アナルマッサージ等のサービスをする時に、
「お前は、自分で死にたくなる」という洗脳をして、
そして、その客は実際に自分から死ぬ、
という奇妙な連続殺人が起こる、
というミステリーを書こうと思うのですが。
そうは言っても、もっと分かりやすい見たての様なものがないと。
「仏教高校…」の時には、「胎蔵界曼荼羅」などという
分かりやすいものがあったのですが。
そういう見たてがなかなか思い付かない。
結局、
そのニューハーフ風俗店に、
漫画コーナーがあって、
梶原一騎全集
「ベルばら」
などが並んでいて(どれも、死の欲動的な漫画)、
その漫画に似た死に方をするので、
あの漫画コーナーに連続殺人のヒントがある、
みたいな謎解きにしようと思うのですが。
あの漫画コーナーに漫画を置いた人が犯人だ、みたいな。
そうは思っても、何でわざわざ証拠を残す様な事をするのか、とも思いますがね。