AWC 口伝   永山


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#6059/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  10/04/13  18:50  ( 24)
口伝   永山
★内容
 一八八〇年に出た小説「ハイジ」に盗作疑惑。一八三〇年発表のヘルマン・
アダム・フォン・カンプ著「アルプスの少女アデレード」に類似とドイツ人研
究者が指摘。
 判断は専門家達に任せて、ここでは指摘通りに酷似していると仮定し、それ
を即、悪質な盗作と断じていいかどうかを考えてみるです。以下、空想。
 調べてみると、「ハイジ」を書いたヨハンナ・シュピリの生年は一八二七年。
一方、「アデレード」がどういった国々で出版されたか分かりませんが、一八
三〇年にドイツで発表された小説が、数年の内にスイスでも出版されることは
あり得るのではないか(スイスの公用語の一つはドイツ語だから、翻訳の手間
が掛からないと思うし)。仮に三年後の一八三三年にはスイスでも流通してい
たとして、シュピリの(たとえば)両親がその本を購入し、六歳になる娘に読
み聞かせた。物語の内容はシュピリの記憶に刻まれ、四十数年が経過。作家に
なったシュピリは、記憶にある物語がドイツ人作家カンプが書いた話だとは考
えもしないまま、「小さな頃に両親から聞いたあの話を小説にしておきたい」
と心に決め、実行した……のかもしれない。

 と、こんな空想を展開したのには、元ネタがありまして(笑)。
 どこかの国の王族だったか政治家だったかが、小さな頃に母親から繰り返し
聞かせてもらった童話の内容を、大人になった今、自分が考えた物語だと思い
込み、そっくりそのまま人に語って聞かせていた、なんてニュースを耳にした
覚えが。
 こっちのニュースの方が記憶曖昧になってて、困りものです(汗)。

 ではでは。





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