#118/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (YHB ) 87/ 2/16 16:20 ( 80)
SF宇宙船アルゴ号よ! 永遠に(2)
★内容
SF宇宙船アルゴ号よ! 永遠に パパ・ブル−ス
(2)
--- 採掘現場で何が起きたんだ。死者が出ていなければよいが........... 。
くそーっ! もっと速く走れないのか、このポンコツ・カー!
彼は気が焦っているのか、シート・カーがやけに遅く感じられた。
数分後、シート・カーはエリア09のゲートの前で、ゆるやかに停止した。
彼は飛び降りた。保安コンピュータの音声が響いた。
″これより先、担当者以外立ち入り禁止です。ただし、司令と司令の許可を得
た国務担当者、及びその関係者は例外です。あなたが該当者か確認します。
名前をどうぞ!″
「シュウだ! 早くドアを開けろ!」
″[確認開始]......該当者なし! 担当者名簿にあなたの名前がありません。
保安司令01を実行します。″
警告灯が、ブルーからイエローになった。
「認識コード[SHUOP#01]をチェックしろ!」
″認識コードをチェックします!・・・・・
・・・・・[SHU連邦総司令 シュウ・チェイン]
指紋をチェックします。両手をパネルに置いてください。″
彼はうんざりしながらも、保安コンピュータの指示にしたがった。ようやく、
ドアが開いた。
--- まったく、面倒くさい奴だ! と、彼は思った。しかし、機械相手に愚痴
っても仕方なかった。
彼は、現場オフィースに急いだ。
「司令が来られてからだな、対策を練るのは。」 そう言うと、ボーブは窓ご
しに採掘現場を見下ろした。
採掘現場は巨大なドーム型をしており、高さ3m程の半円形をした坑道の入
り口が見える。
「しかし、コットン班長の報告は事実でしょうか?」 監理官のモアイが言っ
た。
「彼は、ジョークの好きな男だが、場所をわきまえている。彼の報告に間違い
はないだろう。」
「ボーブ君、いったい何が起きたんだ!」 オフィースに入るなり、シュウ司
令が言った。
「坑道で落盤が起き、作業員5名が坑内に閉じ込められています。」
「落盤! 作業員は無事か?」
「はい! コットン班長より、全員無事の報告がありました。まもなく、全員
救出されるでしょう。」
彼の言葉に、司令は少し安堵したようだ。モニターにはレスキュー班の作業状
況が映し出されていた。
「ところでボーブ君。私には、この状況がコード139には思えないが!」
「実は、レスキュー班コットン班長から、坑道の上にトンネルがあり、そこか
ら、基準値の3倍の放射能が検出されたとの報告があったのです。それで... 」
「トンネル......?」 司令は、ボーブの話を遮るようにいった。
「もし、それが事実としたら...... 」
「ええ、それで司令に来ていただいたのです。詳しいことは、コットン班長が
戻りしだい報告してくれるでしょう。」
--- いったい、誰が掘ったのだ。トンネルに多量の放射能があるという事は、
地上につながっているという事では?
無事救出を終え、コットン班長がオフィースに戻ってきた。彼の報告にもと
づき、シュウ司令はただちに調査班を組織した。科学室長ひげおやじ博士をリ
ーダーに、レスキュー班長コットン、レスキュー班ニック、トキクン、医師の
ドクター・SS、看護婦のアツコの6名は、万全の装備で調査に出発した。