#6007/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 10/03/14 16:40 ( 34)
映画の感想>「容疑者Xの献身」 永山
★内容 10/03/14 16:41 修正 第2版
原作は今も未読ですが。
いくつかの書評にあった、ミステリ好きならその多くが、石神の弄したトリ
ックに早い段階で想像が付くであろう、との見方に同意(一般読者でも感付く
人はかなりいそう)。
トリック自体がだめというのではなく(むしろ簡単ながら新味ある応用を示
した点で評価)、石神というキャラクターの設定その他諸々から、読めてしま
う。トリックが早期に露見するのは、作品の構成を思うと、非常に大きなマイ
ナスになるのでは。終盤での展開から受ける印象や重みが減じられるのは、も
ったいない。
※ここからネタバレ(前の版の書き込みにあります)
四行省略
※ここまでネタバレ
ただ、トリックを先読みできたことにより、石神のストーカーまがいの行動
の意味が明かされたときに受ける驚きは、若干大きくなるかもしれません。あ
ちらを立てればこちらが立たず。
そういう訳で、トリックに当たりを付けてからは、主に、湯川が石神にどう
やって真実を喋らせるかに注目して観ていたのですが、やや肩透かしに終わっ
た感。“被害者”に関するエピソードでも引っ張ってくるのかと思いきや、全
く触れられずじまいだったことも、その印象に拍車を掛けたかな。さらに言え
ば、漫画『Q.E.D.』(加藤元浩 講談社月刊マガジンコミックス)第二
十六巻所収のエピソードと、雰囲気がどことなく似ているため、既視感を覚え
たのもマイナスに作用したかも。
登山シーンは全く不要だった気が。冬山登山である必然性・必要性がない。
その上、登山を描写するのに適当な映像しか撮れないのであれば、別の形に置
き換えた方がましでは。
本作は多分、原作小説の方が映画よりもよい出来映えに違いないと想像する
んですけど、どうかしらん。
ではでは。