#6053/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 10/04/09 00:25 ( 31)
読書体験 永山
★内容
$フィンさん、競って図書館の本を読むとは、まるで「耳をすませば」の世
界ですね。何だか微笑ましくもうらやましい(笑)。
私の場合、小さい頃の読書体験と言えば、これまで何度か書きましたが、小
学校での読書の授業が一番に浮かびます。思い出の再確認を兼ね、また書いと
こうっと(台詞は創作が混じっています)。
小学三、四年生頃だったか、授業に『読書』が加わりました。授業一コマの
間、図書室で本を選んで読む。授業が終わったら、一冊借りて帰る。
当時の私は推理物にはほとんど興味がなく、伝記物を主に読んでいました。
エジソンがリンゴの菓子を食べるとこが、妙に印象に残ってる(笑)。他には
恐竜の出て来る冒険物とか。
あるとき、借りる本を選ぶのに手間取り、クラスで最後の一人に。結局、い
つものように伝記物をカウンターに持って行き、手続きを済ませる。帰ろうと
したところへ、図書係のクラスメート(確か女子)が一冊の本を手に、「これ
も持って帰ってくれへん?」と言う。
「何で?」
「これ、**さん(これも多分女子だった)が借りた本だけど、忘れて帰って
もうた。このままにしとけへんから、誰か一日だけ預かって、明日持って来た
らいいと思って」
「意味は分かったけど、どうして僕に。自分が持って帰ったらええやん」
「重たいし、ランドセルいっぱいになって格好悪いし」
てな具合のやり取りの末、私が持って帰ることに(押し切られた)。持って
帰ったからには読まなきゃ損とばかり、家で読み始めると、これが面白い。
一気に読了したその本こそが、シャーロック・ホームズ物の短編集。初めて
のミステリ体験でした。出版社名も正式な書名も失念したけれど、もちろん子
供向け仕様の書籍。冒頭の一編「赤毛連盟」に異様なスリルを覚えた記憶が。
このことがなくても、いずれ推理小説に接していたでしょうが、このとき巡
り会っていなければ、自分でも書いてみようとは考えなかったかも。実際に初
めて書いたのは、中学入学前の春休みでしたが。
ではでは。
#6203/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ *** コメント #6053 ***
★タイトル (AZA ) 10/07/25 21:27 ( 32)
読書体験2 永山
★内容
懐かしさのあまり(笑)、続きを書いておくです。これまた昔こちらに書き
込んだものと被ってると思いますが、自分用のメモということで。
初めて買って読んだ推理小説は、『名探偵も楽じゃない』(西村京太郎 講
談社文庫)で、そこから同シリーズの四冊を揃えました。で、これを友達に薦
めると、彼も面白いと感じたようで、一緒に犯人当てをしてみようってことに
なりました。そのテキストとして選んだのが、なぜか『幻奇島』(西村京太郎
徳間文庫)。その頃はジャンル分けを全然理解していなかったんですね(汗)。
他には、ホームズ物を筆頭に、アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなっ
た』とか小林信彦の神野推理シリーズ及びオヨヨ大統領シリーズといった、か
なり偏った傾向でミステリを読んでおりました。
いわゆる日本の本格推理に触れるのは、だいぶあとになってから。パソコン
通信時代、今はなきPC−VANやJ&Pホットラインの文芸SIGもしくは
SISで、メンバーの栗田さんが次のような趣旨の書き込みをなさったことが
きっかけになりました。曰く――今、雑誌の連続犯人当て企画にチャレンジし
ており、これまでは全問正解してきたものの、今月号のは皆目見当が付かない。
応援を求む!――元の文とはまるで違っているでしょうが、大意は同じはずな
ので、ご勘弁を。
こんな訳で、問題の犯人当て問題編を読んでみた(分かりにくい表現だ)。
それが「ある騎士の物語」(島田荘司)。私の御手洗潔初体験でした。この名
探偵に対する第一印象は非常に悪い。まさか後に、あれほど好ましく映るよう
になるとは予想だにせず。このときは作者の狙いを看破できたこともあり、そ
れっきり。
そして数ヶ月後。大学受験の帰りに読むつもりで持って行ったのが、『占星
術殺人事件』(島田荘司 講談社文庫)。この作品を選び、買った理由が思い
出せない。題名だけで、「どうせ、殺された被害者が口に紙をくわえていたか
ら、犯人は山羊座の人間だとか、そんな話だろ」と勝手に判断していたのです
が、全然違った。
この作品により、本格に本格的に(これまた分かりにくい表現だ)、本格ミス
テリに本格的に“はまる”ことになりました。
ではでは。