AWC 残虐な殺人現場を考える会<入会申込   永山


        
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★タイトル (AZA     )  97/ 1/10   2: 7  ( 77)
残虐な殺人現場を考える会<入会申込   永山
★内容
申込書

 被害者 人、その他

 見つかったのは、午前三時過ぎであった。
 遺体は全裸だった。正式な解剖はまだだが、その外貌から、女性と判断され
る。年齢は、三十には届いていないだろう。色白で、きれいな身体をしていた。
 遺体は四つん這いの格好で、フローリングに固定されていた。手は甲の側か
ら太い釘を、足はふくらはぎの側からバーベキュー用の鉄串を貫通されている。
 犯人は死後硬直を待つ気はなかったらしく、手足を床に固定した上に、両腕
と両太股に添え木をしている。さらに被害者の股から顎先にかけても、長く分
厚い鉄の板が添えてあった。ここまで念入りにやれば、犯人が現場から去る時
点で、この遺体は四つん這いの姿勢を保っていたであろう。
 ありがちであるが、被害者の頭部は切断され、現場周辺には見当たらない。
その代わり−−と言っていいのかどうか−−ライオンの頭部が、被害者の首に
着けられていた。大型のホチキスでばちん、ばちん、と留めてあるのだ。
 さらに、被害者には尻尾が生えていた。尾てい骨の辺りにドリルで開けた穴
に、シマヘビらしき蛇が尻尾からねじ込まれている。今は息絶えているが、遺
体発見時、この蛇は生きていたという。
 犠牲になった獣が、もう一種。
 被害者の背中、肩胛骨のすぐ下付近に細長い切り口が二つ、背骨に平行にな
るように作られていた。その傷口に、大型の鳥類の翼が差し込まれていたのだ。
鳥の種類はこれから調べるが、翼をもがれてはその鳥の命もあるまい。
「スフィンクスみたいですな」
 部下のつぶやきに、若井刑事−−歳は取っているが、名字が「若井」−−は、
うなった。写真で見たエジプトの観光名所を思い浮かべながら、続ける。
「うむ。だが、逆だ。人の身体に獅子の顔とは……」
「そうなんです、それが不思議だ……。あ、ひょっとすると、犯人の奴、どこ
か別の場所で、人の顔に獅子の身体を引っ付けてるかもしれません」

 午前五時頃になって、一報が入った。
 忠犬○チ公の像が消え、代わりに人面ライオンの死体が置かれていたと。

*残虐っちゅーより、エログロってやつでしょうか。
 下のようなのも思い描いてみました。


 被害者 人間・男も女も

 知らせを受け、現場に駆けつけた若井刑事は、先行部隊の一人の高井刑事を
つかまえ、聞いた。
「どんな状況だ?」
「それが……」
 何故か言い淀む高井。
「どうした? ん? 何だ、現場の部屋はそこだろ?」
 赤茶色のドアを指差す若井。マンションの一室である。
「はあ」
「鑑識の連中に追い出されたのか?」
 そう言いかけて、若井は気づいた。鑑識課の人間も、廊下の隅で手をこまね
いているのが目に入ったのだ。
「どうなってる? 何故、現場に入らないんだ」
「どうしようもないんで……」
 高井は口ごもってしまった。
 いらいらした若井は、ドアの前に立ち、ノブを掴んだ。
「ああっ! だめです!」
「何を言ってる」
 苛立ちに任せて、思い切り扉を引いた。
 と同時に、大量の何かが、若井を襲った。
「あ〜あ。若井さん、やっちまいましたね」
 高井の声に、若井は自分の身体を覆った物体をかき分け、頭を出した。
「何だ、こりゃあ……」
 台詞は途切れた。無理もない。彼は人間の遺体に囲まれていたのだから。
 開いた玄関口の方を見やると、部屋の中にはまだ、遺体がぎゅうぎゅうに詰
め込まれていた。
「……な……」
「遺体の雪崩を食らったのは、若井さんが二人目ですよ」
「……何人だ」
「はい?」
「被害者は何人なんだ」
 吐き気をこらえつつ、若井は聞いた。
「まだ分かりません。もし、部屋全体に隙間なく遺体が詰め込まれているとす
れば」
 高井は懐から電卓を取り出した。
「部屋の体積はオーナーか誰かに聞けば分かるとして……人間一人当たり、何
立方メートルぐらいですかね?」

*こちらはシュールってやつでしょうか。入会はおぼつかないなー。




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