AWC 感想を書こう(18)  みのうら


        
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★タイトル (ARJ     )  96/ 1/23  20:35  ( 53)
感想を書こう(18)  みのうら
★内容
 荷はあらかた盗まれでもしたのか、それ以外には何もない、がらんとした場所だ。
 床に埃は積もっていない。泥で描かれた大小の足跡がある。確かに出入りがある
のだ。
 足跡は奥に続いていた。
「おい、『飛び魚』とやら!出てきたらどうだ、聞こえてるんだろう?」
 返事はない。
 二人は奥に進んだ。床一面に足跡がある。
「大人の足跡がないな」
「今のところ、見あたりませんね。これなんか随分と子供の足跡ですよ」
 杖で泥の塊をつつく。花びらのように可憐な親指の跡が崩れた。
「広いといっても元は倉庫だろう。迷宮じゃあるまいし、ここが根城とは思えない
が」
「隠れる場所もないですね。ああ、行き止まりだ」
 壁の一部が崩れて、土がはみ出している。大きな木箱がいくつか積まれていた。
どれも人が隠れるには十分な大きさだ。
 ルースは杖で叩いてみた。どれもうつろな音がする。
「空だな。
 さて、マイラ。入り口から誰か出ていったかね」
「いいえ」
「人が動くのを見落とすほど闇は濃かったかな?」
「いいえ。気配もありませんでした」
「すると答えは二つ。『飛び魚』はここには来なかった。もしくは」
「まだここにいるんですね」
「そうだな。ここに入らなかったなら、見事逃げられたってわけだ。今更追うこと
もないさ。そうでないならゆっくり探そう。なんなら今夜はここで寝たっていい」
「……一生懸命探します」
 マイラはありったけの蝋燭に灯をともした。
 ルースはうずくまって足跡を調べている。
「マイラ、この箱どかそう。手伝ってくれ」
 奥に積まれた箱を指して言った。彼の背よりも高く積まれた箱だ。
「おかしいぞ……ほら、新しい足跡だ」
 床に、足跡がくっきりと照らされていた。
 前半分。後ろ半分は箱の下に隠れている。「箱を動かした人間がいるんですね」
 一番上の箱を下ろす。ルースは手が届かないのだ。
「そうだ。箱の後ろに何かある」
 箱の後ろは、石をきっちりと組んだ壁だった。
「ここもだ。隠している割には不用心だな。ほら足跡」
 また足跡が半分、壁に消えている。子供の足跡だ。
「隠し扉ですか。ここの主人、密輸でも働いていたのかもしれませんね」
「壁の継ぎ目を探そう。どこかに仕掛けがあるはずだ。無ければ人を頼んで突き崩
してやる」
  いきなり壁が切り取られた。
 昼間のようにまぶしい光が溢れ、二人は目がくらんだ。
「ようこそ司法神官。うちの扉を突き崩そうったってそうはいかないわよ」
 1 一行目 「仕掛ける様子なのも、仕掛けて失敗したのも一部始終」ややぎこ
      ちない。
   一行そのまま続けることにして「ルースは、マイラが仕掛けて失敗したのを
      一部始終見ていた」 
 2 十一行目「マイラを余裕でもてあそんだ」と十三行目「それを翻弄する一少
      女」を一緒にすべき。

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  ……ということで、ここまで。




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