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ワイルドキャット 第二話(3/5) 仮面ライター
★内容
空飛ぶ吸血魔人・蝙蝠男(3)
蝙蝠男の翼の先端の爪が、那恵の上着を掠
めた。上着が裂けて口を開いた。
次の攻撃が裂けた部分を引っ掛け、那恵の
からだが浮いた。上着を掴んで引っ張ると、
爪に引っ掛かった部分が千切れて、辛うじて
逃れる事ができた。
今度は破れて垂れ下がった部分を足で掴ま
れた。手の様に物が掴めるようになっている
らしい。そのまま空中に持ち上げられた。
手足を振り回して逃げようとしたが、逆に
もう一方の足で手首を捕えられた。さらに上
着を放した足が、もう一方の二の腕を掴んだ。
「ちぃっ」
舌打ちして西連寺が走り出した。すると、
建物の向こうから人影がいくつか現われた。
西連寺の行く手を遮る様に、廻り込んでくる。
変身していないとは言え、西連寺の動きに
付いて来られる常人などいる訳がない。しか
し、相手は全てパジャマや寝間着を着ている。
どう見てもこの病院の入院患者だ。顔色もそ
うよくはないし、武器を隠し持っている様子
もない。
一人が西連寺に突進してきた。サイドステ
ップでかわす。すれ違いざまに首筋を見た。
血も乾いていない小さな穴が開いていた。蝙
蝠男に操られているらしい。おそらくは指令
のままに体力の限界まで使っている。
だが、全員がそうとは限らない。戦闘員が
交じっている可能性は大きいだろう。とは言
え、入院患者を殴り倒す訳にもいかない。
身動きが取りにくくなった西連寺を後に、
蝙蝠男は那恵をぶら下げて林の奥に向かった。
病棟の見える丘の上に来たところで、蝙蝠
男が宙に浮かんだままからだを屈め、那恵の
首に顔を寄せてきた。激しく首を振って抗う。
蝙蝠男は空中での吸血を諦め、木の枝に腰
を下ろした。那恵のからだは蝙蝠男の足に掴
まれて宙吊りになっている。足を持ち上げ、
両腕で那恵の頭を抑え付けた。蝙蝠男の牙が
那恵の首筋に食い込んだ。
「あうっ」
短い悲鳴を上げてしまったものの、痛みは
ほとんどなかった。牙は更にめり込んできた。
蝙蝠男の唇が那恵の首筋に触れた。牙を打
ち込んだ部分を唇で塞ぐ様にして、蝙蝠男が
那恵の血を吸い始めた。
貧血のせいか、軽い目眩のようなものを覚
えた。首筋から不思議な感覚が広がってきた。
全身から力が抜けていく。ぐったりした那恵
のからだを、蝙蝠男は地面に降ろした。
那恵の目の前に、巨大な花びらのような、
火山の噴火のような、オーロラのような、不
思議な光が渦巻き始めた。同時に少し酸味を
帯びた甘ったるい匂いが漂ってきた。耳には
パイプオルガンの荘厳な音色が響いている。
自分のからだが空気より軽くなって、風に吹
かれて空をどこまでも流されている様だった。
「気分はどうだ? ワイルドキャット」
天上の音楽のような声が耳に届いた。
「とてもいい気持ちです」
自分の声が、鉄屑をかき回すような音に聞
こえた。
「それはよかった。さ、こっちへ来い。もっ
といい気持ちにさせてやる」
那恵が近づくと、蝙蝠男は那恵の顔に自分
の顔を重ねた。舌を入れ、那恵の口の中をな
め回した。唾液の中の幻覚物質が、経口で那
恵の中に入っていく。既に那恵は思考能力を
失い、甘美な夢の中を漂っていた。
「よし、着ている物を全て捨てるんだ」
「はい」
蝙蝠男が手を放すと、那恵は立ち上がり、
ずたずたになった上着、ブーツ、レザーパン
ツ、Tシャツと、次々に脱いでいった。何の
ためらいも疑いもない動きだった。残ってい
た下着も、少しの躊躇も見せずに取り去った。
薄闇の中に白い裸身が幻想的だった。足の
付け根には、薄暗い一片の雲がかかっている。
「きれいだぞ、ワイルドキャット。そのまま
横になるんだ」
「はい」
那恵は脱いだ物を地面に敷き詰めてその上
に腰を下ろし、仰向けに寝そべった。
「膝を立てろ」
那恵の足元に立った蝙蝠男が命じた。踵を
尻に寄せて膝を浮かせる。
「足を広げろ」
膝が左右に大きく開き、股間が露になった。
「よし。まず自分でやってみろ。したことは
あるか?」
「はい。月に何度か、自分で慰めてました」
「してくれる者ははいなかったのか?」
「はい。あたし、奥手なので、まだ経験はな
いんです」
「そうか。あとでゆっくりかわいがってやろ
うな」
「お願いします」
「その前に、しているところを見せてみろ」
「はい」
那恵は右手の掌が陰核に来るように陰裂に
手を宛って、股間全体を押し揉みながら右手
をゆっくりと円を描く様に動かした。左手も
右の乳頭を掌で押え、やはり円を描いている。
蝙蝠男は、満足そうな笑みを唇の端に浮か
べてその様子を見下ろした。那恵の様子には、
ここまで特に演技のようなものは感じられな
い。完全に蝙蝠男の支配下に入っている。
那恵の右手の動きは次第に早まり、時折鼻
から切なげな吐息が漏れ始めた。腰が右手の
動きに会わせて揺れ動いた。左手は時々位置
を変え、人差し指と中指の先端で左右の乳頭
をこりこりと弄っている。
やがて右手が股間から離れ、那恵が大きく
息をついた。そして、両膝をぴったりと合わ
せて左足の足首を右の足首の後ろに回した。
そのまま両腿に間欠的に力を込めて陰列を圧
迫する。太股に力を入れるたびに、那恵の鼻
から甘い声が漏れた。両手はそれぞれの乳房
をぎゅっと掴んでいる。
ついに那恵は唇を開いて喘ぎだし、程なく
全身を弛緩させた。両手でそっと乳房に触れ
ながら両足を広げ、その足の間から那恵が上
気した顔で蝙蝠男を見上げて微笑んだ。濡れ
そぼった中心部が少し開いてその奥を覗かせ、
那恵がすでに受け入れる支度を整えた事を示
していた。
「よしよし、よくやったな。褒美をやろう」
蝙蝠男が那恵の右側に横になった。左腕を
那恵の背後に回して左肩を抱き、右手で乳房
を玩んだ。指は、薬指と小指が翼の膜を張る
ために長く伸び、残りの三盆は物を掴める様
になっている。爪が鋭く尖っているのは親指
だけで、人差し指と中指は普通の人間のもの
と同様だった。その指先が乳頭に触れると、
那恵が小さく声を上げ、蝙蝠男の両肩にしが
みついた。
それを確かめてから、蝙蝠男の右手が那恵
の股間に伸びた。那恵が軽く足を広げて迎え
入れる。指先が複雑玄妙なその部分をなぞる
様に動きまわった。
「んん」
那恵の鼻声に促されて、指がもっとも潤ん
だ部分に触れた。小さな穴から泉が湧き出て
いた。さらに多くの水を求める様に指先が泉
の湧き出す穴に侵入していった。
「あ……」
那恵が眉をひそめて目を閉じた。
「痛いか?」
蝙蝠男の問いに那恵が首を振り、薄目を開
けて弱々しく笑った。
「いい子だ」
その笑みに勇気づけられ、指がさらに奥を
目指した。きつく締め付けはするものの、十
分に潤っている内部は、指の侵攻を妨げはし
なかった。やがて付け根まですっかり指が収
まった。那恵が大きく息をついた。
縮んですぼまりきっているのを広げる様に
指で内部をこね回した後、蝙蝠男が指を抜い
た。そのまま右腕を持ち上げると、那恵の股
間から蝙蝠男の指先までが糸で繋がった。
その糸を那恵に見せつける様に振り回した
後、蝙蝠男がふたたび指を入れてきた。今度
は陰裂の前の方から、もっとも鋭敏な部分を
擦る様に指を出し入れする。
「ああっ」
たまらずに那恵が声を上げた。那恵の腰が
蝙蝠男の指を追い求める様に前後に動いた。
那恵の呼吸が荒くなっていき、突然首をのけ
ぞらせて全身を痙攣させた。
蝙蝠男は、那恵の呼吸が少し収まるのを待
って、那恵の足の間に膝立ちになり、両腕で
那恵の両膝を抱えて持ち上げた。前屈みにな
ると、那恵が蝙蝠男の首に両手を回してきた。
一気に押し入ろうとした時、那恵が首から
手を離した。離した手で蝙蝠男のからだを押
す。
「な、何をする……」
言いかけて、蝙蝠男は那恵の視線に気付い
た。首を仰向けにして奥の藪の中を見つめて
いる。