AWC 詩が四つ           うちだ


        
#171/1336 短編
★タイトル (TEM     )  93/12/11   1:33  ( 65)
詩が四つ           うちだ
★内容

 「冬の夜明」

わけもなく 星もきれい
空もきれい 雲もきれい
夜明け間近の月は大きく
見上げるマンションもきれい
しんと冷える夜のなか
なにもかもがうつくしく
ロマンチック でも寒い

厚いコートを着ていても
恋人に寄り添っていても
寒いものは寒い
寒いんだってば

短く長い不思議な時間の流れ方
冬の夜明けはまだ来ない

 「つまらないものですが」

わたしは世界じゃない
わたしは真理じゃない
ここで生きていること
ただそれだけ
ほんとうに伝えたいことは
いつだって隙間に詰まっていて
爪を伸ばしてコソゲて出すよーな
ヘラを使ってくじりだすよーな
そんなこと だ
それさえ伝えられなかったんだね

 「シェルター」

気がつけない 気がつかない
私は何も見ていない
なかったことにしましょうね
どこかで中性子爆弾は破裂していて
楽しいことは全部死んじゃった

何にも我慢出来なきゃよかったな
それともどんな嘘でもつけたらよかったのに

真っ白に流れ出す新しい紙を本にする
図書館下は紙工場 非常時はシェルター
選ばれて 紙と共に薄闇で暮らす夢

イイコトないかな
わたしは大人だから
夜も怖くはないよ

今ここでも
ゆっくりと死んでいく
何だって平気

 「言葉」

痛みも心もなく滑っていくから
馬鹿にして撒き散らして 煙幕はって自分がかかった
言うはしから変わってくので安心して
馬鹿にして撒き散らして だから復讐されました

伝えるすべがなく 感じとる力のない私たち
何万分の一でも正確に思うことが反映できるもっと何かを





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