#3031/3137 空中分解2
★タイトル (AKM ) 93/ 3/31 0: 6 ( 74)
●楽戦楽勝ごりら男● その3 1人抜きですばい の巻/ワクロー
★内容
◇一人抜きですばい
やにわにゲームの前に座って、Rは百円玉を投入しました。対戦
の開始です。相手の男は『春麗』を選んでいました。Rが選んだの
は、もちろん『ごりら男』です。
見知らぬ街のゲームセンターで死闘が始まりました。
ゲーム開始。『春麗』は、身構えたまま動きません。Rの出方を
探ろうというのでしょう。コントロールレバーを倒した姿勢のまま
で防御姿勢を維持しています。
相手の出方をうかがおうとする消極的な仕掛です。せこい手段を
知っているからには少しは『使い手かな..』と予感させるのもが
ありました。ならば、こちからから仕掛けて実力をひきはがすしか
ないようです。
知人Rの『ごりら男』は、一度後退姿勢を取りました。この姿勢
は、次に『ぐるぐる転がってぶつかり、相手の防御姿勢を無力化す
るローリングアタック攻撃』の前触れとなる行動です。Rの動きを
察知した『春麗』は、キックボタンを連打して『百烈キック』とい
う技で新しい防御姿勢を取りました。
少しは知っていやがる...
けれども、それこそがRの狙いだったのです。『百烈キック』を
取らせた瞬間にRは、『ごりら男』をぴょんぴょん跳ばせて、『春
麗』の上に押しかぶさるようにして、上からキックを繰り出しまし
た。
『百烈キック』も上部からの攻撃には無力です。Rは相手にすき
を作らせるために、『ぐるぐる攻撃の構え』をとっていたのか。
Rの術中にはまったしまった『春麗』は、あとは『ごりら男』に
攻撃されるがままでした。一方的に技を仕掛けられ、最後は『ごり
ら男』にかみつかれてやられてしまいました。1R勝利。完勝です。
1Rで模様を見ているうちに完敗したゲーマーが2R目に考える
ことといったら、誰でも想像が出来ます。
『がむしゃらに攻めて来るはずだ』
Rの読みは正確でした。2R目の開始とともに半狂乱となって襲
いかかって来る『春麗』。気負い立っていました。
あらかじめ相手の出方を予測していたRは中のパンチボタンを連
打して、感電攻撃で迎え撃ちました。しゃがみこんでしまった『春
麗』に、近距離からの『ぐるぐる攻撃』さらに追い打ちの『感電攻
撃』と立て続けに連発して、とどめを刺しました。
2R目も完勝です。セットカウント2−0で勝利はRに輝きまし
た。ゲームセンターに響く『ごりら男』の勝ちどき。
うおっうをーっつ 魚っ うをおおおー
ゲーム機があらかじめプログラムしてある音声だせの命令に従っ
て、雄叫びを上げているのでしょうが、私には知人R本人が、勝利
を喜んで絶叫しているのではないか。そう思ったほどです。
『春麗』...正しくは『春麗』の使い手の完全敗北は、このゲ
ーセンに巣喰う、他のゲーマーたちに衝撃を与えたようです。
あいつがやられるなんて...しかもポイントをまったく取れず
に敗北するなんて..信じられん。
このゲームセンターに出入りしている職人的ゲーマーの気骨ある
何人かは『ゆるさん。おれさまがたたきふせてやる!』という気概
に燃え始めていたようです。完敗した『春麗』に代わって、次のゲ
ーマーが即座にRに挑戦を挑みました。知人Rは勝てるのか。
(以下次回)