#3029/3137 空中分解2
★タイトル (AKM ) 93/ 3/30 1:50 ( 42)
●楽戦楽勝ごりら男● その2 ◇斬りまくったるんじゃ の巻
★内容
◇斬りまくったるんじゃ
実は知人R。この日は入社試験の面接の日でした。会社訪問の面
接の時間まで、あと1時間の時間があったとします。みなさんなら、
どう時間を使うでしょうか。会場近くの喫茶店で心を落ち着かせる
ひとときを持つ。。。それもまた、素晴らしい考えかも知れません。
しかし知人Rは、喫茶店には行かず、リクルートスーツのままで、
ゲームセンターに行きました。僕が『初めて入ったゲーセンで10
人抜いたら褒めてやる』そそのかしたせいもあります。
店内は学校をさぼった女子高生。仕事をさぼったサラリーマン。
学校をさぼった大学生。暇で仕方がなくここに来ている人々。会話
をするのが面倒になってしまったカップル。平日というのに異様な
熱気に包まれています。
しばらく前までは『ストリートファイター2』は、人気のゲーム
でした。どこのゲームセンターでも機械の周囲をゲーマーたちが順
番待ちしていたほどです。
見ず知らずの相手に気軽に挑める雰囲気ではありません。
コンピューター相手の対戦で強くとも、人間同士の対戦に勝てる
保証はありません。負ければギャラリーの中。恥をかくだけです。
誰も恥をかきたくない。周囲を取り囲んでいる人数が多ければ多い
ほど、なかなかゲーマー同士の対戦が行われないのもこのためです。
しかしRは、無造作に人混みを分けてゲーム機の前に出ました。
人垣の背後から前へでてきたRに向かって、ギャラリーの視線が
集中します。見なれないR。スーツ姿のR。周囲の視線は無遠慮に
Rを眺めます。こいつは強いのか。それとも、弱いくせに見のほど
を知らないだけか。
東京の場末にすくうゲーマーたちが、知人Rを遠慮も何もなくじ
ろじろと眺めました。
(以下次回)