#1660/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (JYC ) 89/ 6/26 7:43 ( 76)
作者からの反論 永山
★内容
うさぎさんの回答は、あんな所にあったのですか。これを機に、「雨の・・・」
について少し、言い訳をしましょう。
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迷探偵登場 平野年男
「・・・と、こんなのが来ているんだがね。」
私、平野年男は、新聞に載せたいわゆる「雨の中の殺人者」事件の反響を、流
に読んで聞かせていたのだ。
「まったく、おふざけもいいところだよ。犯人はあの通り、捕まっているの
に、こうも別人を犯人にしたてようとしたものが多いとは。中でも、一番の傑
作は、ふふ、これだな。宇佐見五月さんからのだ。」
「ああ、あいつか。とんでもないことを書いてくる。この俺、いや、私が犯
人だなんて。」
「昔の癖が出たねえ、平野君。『俺』は使わないことにしたんじゃなかった
のかい。それはともかく、僕はあの様な推理を述べた覚えはないし、平野君も、
犯人の覚えはないだろう。吉田刑事は、知らないが。だいたい、僕は自分の事
を『私』なんて、言わないよ。あいつは偽者だろう。偽者が出るってことは、
喜んでいいのかねえ。君も犯人当てを兼ねて発表したのなら、もっと詳細に書
かなくては。」
「それは痛感している。雨の降り具合いとか、逃走経路とか・・・。そう、
それに小指の件だ。あれは普通の状態では見えないのに、私が見えたのは、私
が犯人だからだ、と言われるきっかけのような物だからなあ。古田が髪を掻き
上げたから、その時見えただけなのに。ペンネームじゃないってことは、『文
庫本殺人事件』を見れば判るのに。」
「君の手記は、あの地方には出回ってないんだろう。で、付け足しの続きだ
が、ヘアデザイナーを目指す者が数学を勉強するわけがないってのは、たくさ
んあった。これは、古田がデザイン系の大学に入ってから、正式にヘアデザイ
ナーを目指そうとしていたことを知らせておけば、何でもなかったのに。それ
から、飯津天人さんの推理は、全て、君が描写を詳しく書かなかったからだよ。
織田栗香さんは、2度目で反論をしているが、あれは君から説明を。」
「あれですか。『国語って答えます。』と言うのは、言い逃れができるとい
うことを示したものだけど、あのとき、私はこう聞いたんですよ、『何と、何
の勉強を・・・。』と。そうしたら、古田はああ答えた。それだけの事ですが
何だか大変なことになっちゃって。私が執筆しているときは、すぐ、汚れがく
るもんだから、よく手を洗うんです。その点、誰でも同じかと・・・。」
「君は、特別、汗を多くかく体質なのだよ。あの雨は、そうたいしたことは
なかった。君が他人に、ずぶ濡れと取られるような書き方をしたのも、汗かき
だからだよ、きっと。すごかったのは、これだな、本秋タカシさんのものが、
面白かったね。正解かどうかはともかく、思い付きがね。ただ、これはゲーム
じゃないんだ。そんな暗合(暗号に非ず!)だけでは、解けないよ。動機のな
い吉田刑事が、被害者を確認せずにいる訳ないし。」
「その通りだよ。それに比べて、円井場さん・・・、なんて読むんだ、これ
?えんいばじゃなくて、そうか、まるいじょうかな。この人の推理のすばらし
いこと。シンプルイズベストってかんじ。」
「確かに、ほとんど当りとはすごい。でも、あの現場に居合わせた者なら、
普通は誰でも真犯人にたどり着けると思うがね、僕は。さて、V地方からのは、
ここまでにして、J地方に移ろう。こちらからは、余り詳しい推理が来ていない。
奮起を願いたいねえ。マニアの烏田旅斗さんからは、何もないし。いや、ひょ
っとしたら、二人一役を使っているかも・・・。それは置いといて、どちらの
地方か忘れたけど乱馬ナナって人ので、絨毯が濡れるはずだ、と言うのがあっ
たなあ。絨毯もしくは床板等が濡れたとしても、玄関からは見えないのですが
・・・。他に何かあったかな。」
「一般人のは、書き忘れたとしても、これだけは落とせないという人のがあ
るよ。我が友、永山からのだ。『(犯人は、に・・・)と言うのは、流次郎の
次ではないか。』だってさ。あきれたものだ、君の事を知る彼が、君を犯人だ
と考えたとは。今度、探偵部の子達にあったら、文句を言ってやれ!」
「まあ、いいじゃないか。彼も相変わらず、氷山と間違われているじゃないの。
山魚とか山椒魚とか言う批評家にだっけ?」
「そういう名じゃなかったが、批評家だった。あ、思いだした。やい、『雨
の中の容疑者』じゃなくて、『雨の中の殺人者』だぞ!聞こえているか!」
「誰に怒鳴っているんだ、君は。」
「すまん、つい・・・。」
その時、誰かが入って来た。吉田刑事だった。
「あの、また、お知恵を拝借したいんですが。」
「いいですよ。でも、拝借って言うからには、返してくれるんですね?」
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さて、いかがなもんでしょう。私の話も出てきましたが・・・。
言及していない方には、申し訳ありませんが、遅延もしくは割愛と言うことに
なるでしょう(ファイルが壊れたため。名前をはっきりと覚えていないのも同様
です)。
1つだけ。動機の点ではいろいろと不満があるでしょうが、殺人の動機なん
て、実際は誰も正確には書ける訳はないと思いますから、勘弁を。ある人がこ
ういう状態の時、殺人に踏み切るなんて、断言できっこないですよね?
我輩は永山である、氷山ではない。
それでは。