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#666/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (MLC     )  88/ 1/ 8   1:45  ( 32)
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★内容
 その年の六月、最後の8bitマシンが地球上から姿を消した。自殺であった。遺書
として残されたテキストファイルには、「もう私は、TOPPONにはついて行けない」とだけあった。静かな最期であった。

 某国立大学の助教授K氏が「TOPPON」というコンピューター通信の統一規格を
提唱してから、今年で8年になる。この統一規格は、コンピューター同志がネットワー
クを形成したときに、互いの性能とOSの様子をまず最初に教えあい、相手の性能に合
わせた通信手段を、コンピューター同志で的確に選定する、というものである。この処
理は「TOPPON処理」といわれ、ネットワークの相手が、低い性能しか持たない場
合は、性能の高い方のコンピューターのみがこの「TOPPN処理」を行い、低い方の
マシンは、この処理をする必要がなかった。

 また、それと同時に、某国立放送局が、「OOO第3放送」というのをコンピュータ
ー向けに設置した。この内容は、すべてコンピューター教育用のものであり、具体的に
は、「どのコンピューターにはどんなプロコトルが最適か」をPROLOGやLISP
のPROGRAMの形で送信するというものであった。

 この結果、いわゆる「統一OS」というものが必要でなくなってしまった。その変わ
り、コンピューターどうしに、相性がいいとか、相性が悪いとかいう問題が表面化して
きた。コンピューターどうしに序列ができ、処理速度の遅いCPUや、ややこしいOS
などはコンピューター同志でもかなり嫌われ始めた。

 また、「TOPPON処理」ができないコンピューターは当然のごとく、グレ始め、
なかには、「暴走族」にはいるマシンもあった。

 その年の六月、最後の8bitマシンが地球上から姿を消した。自殺であった。遺書
として残されたテキストファイルには、「もう私は、TOPPONにはついて行けない」とだけあった。静かな最期であった。

                                                    つづく

    これから、1作平均20行ぐらいで連載していきますので、よろしく。




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