#629/1850　ＣＦＭ「空中分解」
★タイトル (QDA     )  87/12/29  17:24  ( 42)
RAINBOW　RAINBOW　--PART.1　　　　　アンゴラ
★内容
　通学路は，夕べ降った雨のおかげで，濡れていて．ひじょ−に歩きにくい．
おまけに，遅刻しそうなあたしは超ダッシュしている．
　−−それにしても，周平ってば許せない！！
  心の中で，そう怒鳴る．遅刻しそうなのは，あんたのせいなのよ−っっ！！
わかってるワケぇ！？
　制服の内ポケットに，怒りをぶつける．あんたのせいで，あんたに見とれてた
せいで，（写真なんだけどさ）朝食の時間オ−バ−しちゃったんだからぁっっ！！
  いつもの銀杏の下をくぐり抜ける．ふふっ，この木が銀杏だってわかるの，
この近辺の人だけよね．だって，葉がみ−んな落ちちゃってるもん．
「うおりゃ−っっ！！！！」
　かじかんだ手で，（これでも手袋してるのよ！！）銀杏の木をぶん殴る．
　でも，それはとてつもなく無謀なことで．手がジンジンする．
「ちくしょぉぉっ，周平ゆるさ−ん！！」
　その声は，誰もいない道路にガンガン響いてた．
　手は痛いわ，遅刻はするわ・・・どうしませう・・・？

　んでもって，あたしは体操部．一応，ケガしててマネジャー．でも，どうせ
右手のケガだから，走ったりのトレ−ニングは参加してる．
「佐藤先輩っっ！！」
　あたしが，某雑誌に染め上げてしまった後輩が二人，走って来る．
「中国拳法の秘技，跳び蹴りお願いします．」
「またぁ，都ちゃんってば．あれは，あたしの独学で勉強したのであって，正式な
　拳法じゃないのよ・・・」
「せんぱ−いっ！」
　頼まれて，悪い気はしない．
「しかたないわねぇ・・・．−−いっきま−す！！十文字たくま十八番，跳び蹴り！！破−−−っっ！！」                     　ﾄﾓﾝｼﾞ
　しゅたっと格好よく跳んだあたしに，後輩は一言．
「せんぱ−い，「十文字たくま」ってなんですかぁ？」

　あたしは，同人誌に染まってる，不健全な中二の野郎で．そのときのペンネ−ムが
『十文字たくま』なの．今は，専ら聖闘士星矢系のサ−クルで遊んでるけど，
今度魔王伝の同人出すんだ．
　さっきから，名前と写真だけ出てる周ちゃん（周平）ってのは，東京に住んでる
幼なじみ．とぉっても，ハンサムなナイスボ−イなんだっ．不健全なあたしでも，
恋愛くらいするのよ．（でも，メフィストの方が好きだなぁ）
  そこまでは，普通のガキなんだけど．（どこが！？）あたしは，一つだけ
他人と違うところがある．
　わはははは，聞いて驚け，あたしはＩＱ２００の天才児なのよっっ！！
でも，ここまで変態なあたしだと，「天才と狂気は紙一重」っていう言葉，
諾けちゃわない？
                                                    （つづく（カナ？））