#516/1850 CFM「空中分解」
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APPLE COMPLEX 【多すぎた遺産】(4)コスモパンダ
★内容
<アップル・コンプレックス> 第1話「多すぎた遺産」
パート}「皮かぶりのガキが、舐めた真似をおしでないよ!」その4
モーテルの部屋は、キンキンキラキラのデコレーションが施されていた。金張りの壁
、金張りの床に、天井には馬鹿でかいシャンデリア、リビングはそんなとこだ。
趣味悪い!
あと、キッチンにダイニング、バーセット、そして漸くバスルームに寝室が見つかっ
た。
寝室には巨大な円形ベットが部屋の大部分を占めていた。直径は優に五メートルはあ
るだろう。
早速ノバァはそのベットの上で飛び跳ねている。殆ど仕事のことを忘れているとしか
思えない。今度はノバァはベットのヘッドボードに並んだボタンを片っ端から、押し出
した。予想通り、ベットは回り出すわ、上下に数メートルも動くわ、表面が波立つわ、
中央部はかってに奇妙で卑猥な動きをするわ。そのベットの上でノバァはキャイキャイ
と騒いでいる。
その内、ノバァは何のボタンを押したのか、寝室の天井から、滑車の付いたロープが
降りてきた。壁がスライドして開くと、そこには中世の拷問室も顔負けの設備が整って
いた。笞、ローソク、鉄の手枷、でかい鉄の玉と鎖で繋がった足枷、乳房の部分が切り
取られたような皮のブラジャーやパンティ、三角の木馬、子供の腕程もある男性のシン
ボル。
ノバァはその一つ一つを熱心に調査しだした。
えーい、もう勝手にしろ。僕は、暴れるベットの上に寝転がった。
仰向けになった僕の上にノバァが飛び乗ってきた。
「カズ、ねぇ〜、少し遊んでこーよ」
「じょ、冗談じゃないよ。仕事中だよ」
「固いこと云いっこ無しよ。ねぇ、あたしと寝たいと前から思ってたんだろう? 好き
にしていいんだよ。ねぇ、カズ」
ノバァに押されて、僕はベットの中央に押し上げられた。ノバァはシーツを引っ張る
と二人の上に被せた。ノバァはぴったりと身体を重ねてきた。胸の膨らみが二人の身体
の間で押し潰される。僕の耳にノバァの息が掛かる。暫く二人共、声を出さないでいた
。それに気が付くと抱き合っていた。僕も段々その気になった時、
「部屋の中は何処も彼処もカメラとマイクだらけ。このベットにもマイクが仕掛けられ
てるかもね。このまま、シーツの下を這い上がって行って、ヘッドボードの照明ボタン
を押して、部屋を真っ暗にするからね。そしたら、ベットから床に降りて這って窓まで
行くよ。廊下にもカメラがあるから、窓から外に出て、窓伝いにボスの部屋に行く。ど
じ踏むんじゃないよ」
と、探偵所長の声。
「分かったよ」
不承不承返事したが、僕の分身は不満足だった。その興奮した分身にノバァが下腹を
擦りつけて腰を淫らに蠢かせた。
「可愛いねぇ〜、本気になって。それじゃ、せめてあたしのいい声聞かせてやるよ。さ
あ、気分だして、やろっ」
ノバァはそう囁くと、突然大きな声でわめきながら、ベットとシーツの間を這い出し
た。
「いいよ、カズ、最高よ。あーっ、だめ、そこ、そこ、もっと、あーっ」
あーっ、頭痛い。すっかり遊ばれてしまった。まったく、どんな顔してあんなこと云
ってるんだろ。僕も負けずに声を上げながらベットの端に這って行く。大揺れに揺れる
ベットの表面のため、たぶん監視カメラの映像を見てる奴らも僕らの動きに気付かない
だろう。
「ノバァ、そんなに、締め付けちゃ・・・。行っちゃうよ」
嵐の大海原で揺れる船のようなベットの軋み音と二人の悩ましい大声が部屋の中に響
いていた。外では、太陽がビル群の陰に隠れようとしていた。白いスロータ・ヒルの城
は夕日に映えた古びた建物の中で、一際目だっていた。
−−−−−−−−−−−−TO BE CONTINUED−−−−−−−−−−−−