AWC 「私はついに文学作家になることをあきらめた」  ウィングマン


        
#467/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (HRJ     )  87/11/ 9   0:42  ( 35)
「私はついに文学作家になることをあきらめた」  ウィングマン
★内容
 ついに、あいつとの決着の時が来た。
 ――あいつが、教室に入ってきた。ワァッと歓声があがる。
 あいつはコカコーラ350ml缶をグイッと飲み干した。フンッ、古い奴め、と
思いつつ、こっちはジョージアミルクティーのホットを一気に飲んだ。
 …しかし、口の横からポタポタと、7滴ほどこぼれ落ちた。
 「アハハハッ!」
 ちくしょう、笑いやがって。オレは、袖で口をぬぐうと、胸を大きく張り出して
相手の前ににじりより、そしてにらみつけた。
 あいつも鋭くにらみ返した。2秒…3秒……
 そして数秒たったあと、あいつは何かセリフを言おうと口を開けたがそのとたん
 「グゲーッ」
 …ゲップを出した。コーラのせいだ。
 「アハハハハハハッ」
 …すると相手も顎を突き出してこちらへ迫って来た。−−にらみ合うこと数分。
 「はやくやれーっ」
 …緊迫した静粛−−と感じたのはオレたち2人だけかもしれない。ヤジ馬たちな
どに、オレ達の気持ちなど知れてるはずがなかった。
 「−−−−いくぞ。」「ああ」
 ついに始まる。
 「おいっ、審判! たのんだぞ」
 「正々堂々とな」−−−「まかせとけっ」
 チヤッ。
 オレとあいつは、ナイフを取り出した。
 自分としてはなかなかかっこいいフォームで取り出せた。相手も負けちゃいない
。
 ナイフの手入れは念入りな様で、恐ろしいほど不気味に光っている。
 「よういっ」
 …汗がしたたる。
 「−−−−どんっ!」
 …こうして、オレとあいつの鉛筆削り競争は始まった……。

                        The End

              (…not to be continued!)





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