#290/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (QDA ) 87/ 8/29 16:55 ( 83)
無題(2) アンゴラ
★内容
<CM>さーあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。文才、画力、思考力、みんな
ゼロのアンゴラが放つ超大作だ!!これを読むと、どんな駄作でも名作に思えて
しまうのだ!!これはスゴイ!!さあ、読んでみよう!!
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「へ・・・え・・・」
僕はおもわず声をあげた。本物のペガサスだ。
「な、かわいいだろ。」
少年は、ペガサスの背をポン!と叩いてニッと笑った。
「でも、このウィンクル・・・だっけ?この子、君が勇者の資格をもってるから
与えられたのかい?」
そう、ペガサスは真の勇者にしか乗れない動物だ。おまけに、めったに見つからないしつかまらない。だから、高く売れるんだけど・・・。
「フッ。いいことを聞くな。実は、こいつはオレが巣から盗んできたんだ。
こいつがまだ生まれたての時にな。」
彼はそういって、優しくたてがみを撫でた。
「でも、それって残酷じゃないのかな。幼いときに母親から引き離すなんて・・・」
「何ぃ!?」
少年の顔色が変わり、剣を抜く。。「やれやれ、短気な奴だ。
「もう一度いまのセリフをいってみろ!!」
ここで彼の機嫌を損ねては、一巻の終わりだ。少しおだてたほうがいいのかも
しれない。
「いまのセリフは撤回するよ。。「それより、ペガサスって臆病だろ。空中で
ドラゴンに会ったときなんか振り落とされなかった?」
ペガサスはひどく臆病で、恐怖を感じると、乗り手のことなんぞ構わずに
逃げていく。強いていえば、振り落として逃げてしまうのだ。
「あははははは、その点はこいつは平気なのだ。なんたって、小さい頃から
訓練してきたからな。」
「訓練?例えば・・・」
「こいつの首を固定して、目の前にドラゴンの特大はりぼてをおいたんだ。
そうすりゃ、免疫がつくと思ってな。 フッ、頭脳が違うだろ。」
そ、それは残酷というものだ・・・。
「で、出発は?」
「いますぐ。膳は・・・じゃない、善は急げっていうからな。」
その時点で、ぼくは彼に名前を聞いてないのにきがついた。
「ねえ。僕の名前はカイ。君は?」
彼は、遠いところを見る瞳をして言った。
「オレの名は、たすく。」
たすく。どこかで聞いたことがある、その言葉。でも、思い出せない・・・。
「。「それよか早くでかけようぜ。向こうの空が、晴れてきている。あ゛、お前
荷物は?部屋からもってこなくていいのか?」
「荷物は、ないんだ。旅費がちょっとしか。」
「ふう・・・ん。じゃあ、親父さんに宿代払ってこいよ。出発の用意しとくから。」
「ああ。」
僕は、宿屋に向かって走りだした。運よく、雨はやんでいた・・・。
・・・は、さっそうとペガサスをのりこなしていた。「・・・」にはいる名詞は、
「たすく」である。僕は、怖くてたすくに必死でしがみついていた。
「こ、怖い−−−!!」
「怖い?」
たすくはその言葉を聞きとがめていった。
「こわけりゃおろしてやるぜ。」
「え?どうやって?」
「ここから突き落してやる!!」
「ひぃ−−−、それだけはやめてくれぇ!!」
さっき、たすくが僕のことを命知らずだといった訳が分かったようなきがした。
「「しかし、これじゃ空にかかった虹も見られやしない。とにかく、こわい!!
「おい。着いたぞ。起きろ、カイ!!」
たすくの一声で目が覚める。なんと僕は、ペガサスに乗って空を飛びながら、
気絶して寝てたのである。我ながら、器用だ・・・。
「ところで、ここどこ?」
たすくがコケた。
「国境越えたところにきまってるだろ!!」
「ち、ちがくて地名だよ!!ち・め・い!!」
「フッ。甘いな。こんな辺境地に名などあるとおもうか!?」
「へっ!?」
僕はヘタヘタと座り込んでしまった。どこだかわかんないなんて、悪夢だ。
こ、これは悪い夢にちがいない!!
「ま、そんなことよりさ。おまえ、国境越えて何をするつもりだったんだ?」
「別に。フッ、当てのない旅ってやつさ。」
たすくは呆れ顔で言った。
「じゃ、どうしてあんなに急いでたんだ?」
「あはは、実は宿代が足りなくってさ。まさか踏み倒すわけにはいかなかったんで
急いでたんだ。」
たすくは、納得したような顔で言った。
「おまえ、オレと旅をする気はないか?オレもあてのない旅ってのが好きでさ。」
たすくと旅をするのは確かに怖い。でも、ペガサスだって乗れればきっと楽しいに
違いない。(これは、後になって大きな間違いだと思った。)
「喜んで、その話にのるよ。」
「じゃ、商談成立だな!!」
僕は、たすくと握手をした。友情の誓いの握手だ!!しかし、たすくの握力には
参ったよ・・・。
(続く)