#257/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (JYE ) 87/ 8/12 16:58 ( 47)
野獣のおきて (3)”
★内容
「 特務部は直ちに実行部隊を編制、必要な銃火器を装備し、本庁屋上のヘリで現
場へ急行、第四作戦を遂行してくれ。」
緊迫の波が部屋全体に漲った。
警視庁特犯課の特務部は、三人一組で一班から五班までで形成されている。
第一班は概ね狙撃のみが任務である。
二班、三班は敵地潜入、犯人の鎮圧並びに人質救出が重な任務だ。
第四班は危険物処理班で、特殊な時限装置や赤外線装置などのエレクトロニク
ス分野に於て優れた頭脳の持ち主達なのだ。
何れの班も全員が射撃の名手である事は云うまでもない。
第四作戦とは人質救出を最優先目的とする事にある。
言い替えれば、人質救出のための犯人射殺を全面的に許可するという暗黙の了
解の措置である。
犯人逮捕命令は、この第四作戦に含まれてはいないのだ。
「 草薙が非番で居ませんが‥‥」
曽根が尋ねた。
草薙と同じ第二班に属している。
「 草薙には今、連絡を取ってる最中だ。恐らく現地に於て合流することになるだ
ろう。尚、犯人の身許及び詳しい状況は分かり次第、無線で連絡する。
他に質問は?」
「 ‥‥‥‥ 」
「 無ければ5分後に屋上のヘリポ−トへ集合、以上だ。」
全員が慌ただしく動いた。
時刻は一時四十分を廻ろうとしていた。