#102/1850　ＣＦＭ「空中分解」
★タイトル (DGJ     )  87/ 1/24  10:14  ( 85)
ＲＵＮ☆ＡＷＡＹ　〈４〉　　Ｌａｓｔ　Ｆｉｇｈｔｅｒ
★内容
．
　シャルが立ち上がった途端、篠原がくってかかった。
「きっさま〜！」
　今度は、篠原がシャルの襟首をつかみあげる。
「根も葉もない事を並べたくりおって〜！　あらぬ疑いをかけられたではない
　か〜〜！！！」
「根も葉もないだと〜？」　シャルの方が背が高かったため、シャルは篠原に
よって、首吊りにはされなかった。
　シャルは、篠原の手をふりほどいた。
「私は嘘は言わん！まぎれもない事実だ！」
「嘘をつくな！第一、俺は貴様もリミなんぞも知らんわい！！」
「ならば！忘れとるんだろ！！３年前に、貴様がリミに手を出したことはまぎ
　れもなく本当のことだ！」
−−−３年前−−−？
　ピタッと、篠原の体の動きがとまった。
　脳裏をかすめるあの出来事（詳しくは、ＲＵＮ☆ＯＮＬＹ！を読もう！）。
−−−ま、まさか．．あの尻尾娘のことかー？？
　　　（まさかでなくても、そうだよ！続編なんだから）
と、読者の予想通りの事を思った。
「身に覚えがあるようだな。えっ！？どうなんだ！」
　シャルが篠原の顔をじっと見た。
「ま、まてっ！」
　篠原は、無意識にそう叫んだ。
「しかし、あれは．．．．」
「覚えがあるんだな！！そうだな！！！！」
　シャルが、凄みをきかせて聞き返す。
　篠原は、思わず横を向いた。しかし、シャルはしつこく篠原の顔の前に来て
何度も繰り返した。
「えぇ〜！？あるんだな！そうだな！そうだろ！！」
「ん、ま〜．．．．．」
　あるとしたら、あれ以外には考えられない。
　篠原の返事を聞いてシャルは、勝ちほこった表情で豪快に笑った。
「ふわっはっはっ！やはりあるのだな！どうだ、私は嘘をいわないことが判っ
　ただろう〜。正義は最後には勝つのだ〜〜！！はっはっは〜」
　篠原は、なんとか誤魔化そうとおもって笑って言った。
「はっはっは〜、そうなんですよ〜覚えがあるんですよ〜」
「はっはっは〜、そうだろ！？えっ、そうだろ！？」
「えぇ、はっはっは〜」
「そうか。そうか。はっはっは〜」
「わははははははははははははははは」
　篠原と、シャルは二人そろって豪快に笑いちらした。
　頃合をみて、篠原がニコニコしながらシャルに言った。
「わはははは、ま〜これで矛盾も解けたことだし。こちらとしても授業があり
　ますので、そろそろお帰りなさっては？」
「わははは、ま〜判ってもらえれば良いのだよ。ん〜それじゃぼちぼち帰ると
　するか〜」
　シャルは手を振りながら、教室の後ろのドアに手をかけた。
　篠原を始めとして、工藤先生を含むほぼ全員も手を振った。
　シャルは、ドアをガラッと開けて左足を廊下にだしかけた。
　はっと、我に返る。乱暴にドアを閉めて、机に座りかけている篠原を追う。
「こらこらこらこらこら〜〜〜！！」
−−−ちぇ！思いだしやがったな
　篠原はぱちっと、右指を鳴らした。
「えっ、まだなにか用ですか〜〜？」
　両手を口にもってって、ぶりっこ調の声と顔で答えた。
「き、きっさま〜！人を馬鹿にしおって〜！！　その態度ゆるすわぁ〜ん！」
　頭全体を真っ赤っ赤にし、体じゅうをぷるぷる奮わせてシャルは叫びちらし
た。
「ったく、なんなんだよ？いったい」
　篠原が、頭をかきながら答えた。
「え〜い、だまれだまれだまれ〜！　私は、貴様と決闘しにきたとさっきから
　何度も何度も言っとろうが〜！！」
「あんまり怒ると血圧が上がるぞ。　寿命が縮むぞ」
「やっかまし〜〜〜！」
「だいたい！」　篠原は椅子にふんぞりかえってシャルを見て言った。
「おまえは、誰なんだよ？」

　　　　がったん！

　シャルは、こけた。ついでに机に顔から頭をぶつけた。そんでもって足も滑
らして、スネも傷めた。
「き、貴様というやつは〜〜〜．．．」
　シャルは手でふんばりって、体制をたてなおす。
「私の話を、ぜ〜んぜん聞いとらんかったのか〜！！？」
「うん！」
　篠原は、素直に答えた。
　シャルは大声で名のった。
　ここまでくると大ボケも通り越していた。
「と、いうわけだ。判ったか！？」
「成程〜、しかし決闘をしなくても俺はあんな娘いらんぞ。おのれが欲しいの
　ならば勝手に結婚でもなんでも、すりゃよかろうが。」
「そうはいかん！」シャルは、勇ましくたって遠くをみつめた。
「私は、由緒ある家系のものだ。いにしえより、こうなったときはその者と雌
　雄を決しなければならないのだ。それも、正正堂堂とな。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　〈つづく〉