#3700/3706 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/11/24 19:24 ( 29)
当事者感覚の問題 永山
★内容
WOWOWのドラマ「1972渚の蛍火」最終回を録画視聴。ネタバレ注意です。
考えさせられる話であった一方で、示された答というか方向性については、うーんと
首を傾げたくなるところもありました。当事者でないという点が大きいんだろうとは思
いますが……。
物語はここに来て、大きく二つに分かれる構成になりました。
一つは、今まで主軸として描かれて来た百万ドル強奪事件とそれに伴う川平による復
讐劇。こちらは、今回の中盤辺りまでで決着しましたが、犠牲者の多い、ある意味最悪
と言っていい結末でした。復讐する側もされる側も全員死亡。これでどう表向きにこと
を収めるのかなと心配になるレベルでしたが、米国国防省に見捨てられた不良外交官な
ら殺されても外交問題にならず、予定鳥沖縄の復帰が果たされた模様。百万ドル強奪事
件の方は、そもそもが表沙汰にされず、秘密裏に捜査が行われていたのだから、処理す
るのは簡単だとして、外交官以外に死者二人が出たのは、どうやって処理したのやら。
一般市民とするにはそれぞれ名を知られた者だから、簡単には行かないような。
もう一点、この事件で変じゃないかと思ったのは、百万ドルの受け渡し場所として、
川平が実質的に所有するサザンクロスを選んだこと。ドラマの展開上、見栄えもあって
サザンクロスがいいのかもしれませんが、犯罪の取り引きをする場所としては、警察が
真っ先にマークするであろう建物。そのことは川平自身も承知しているはずで、何でこ
こを選んだのかの説明がいるんじゃないかと。
そして、もう一つの事件、玉城刑事が終戦直後の兵隊時代に起こした犯罪行為がもと
で、今また人を殺したこと。同胞を殺めたことを激しく後悔し、どうすれば罪滅ぼしに
鳴るかをずっと考え、行動してきた玉城が、いざ昔のことを知る人物が目の前に現れ、
罪の露見を恐れて殺害に及ぶという心理の動きは、理解できる。ただ、捕まったあと、
部下の若い刑事に「どうすればよかった?」と問うのは、今ひとつぴんと来なかった。
そもそも、どうすればよかったかなんて、最初に悪い上官に誘われて仲間になった時点
で間違いを犯しているとしか。そこで撥ね付けていればよかったのに……と短絡的に思
ってしまう。逆らえなかったのだとしたら、戦争が終わったあとも上官の命令は絶対だ
ったとか、そういう描写を入れてほしい。
ではでは。