#2320/3611 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 22/08/16 19:48 ( 34)
あくまでも本格推理としての視点から 永山
★内容
力石と白木お嬢さま>
挙げられた“たとえ”ですが、確かにミステリーになるとは思います。
ただ、もし仮にその“たとえ”を作品化するのだとしたら、ダンディズムだと思って
いたらダイエットだった、が真相では肩すかしというか、尻すぼみ感が激しく、読者が
腰砕けになりそうな気がします。
力石、白木お嬢さまという有名キャラクターをそのまま使うことができれば、まだ意
外さの強度によって支えられるかもしれませんが、ボクサーAと支援者Bに置き換えて
描くと、これはもう持ちこたえるのが難しいでしょう。
ここは逆にして、ダイエットだと思ったらダンディズムだった、の方が効果的になる
んじゃないかなと。
あと、ミステリの種類と言いますか。
私見になりますが、ひとまとめに本格ミステリ・本格推理と呼ぶジャンルに入る作品
は、売りとするポイントがどこにあるかで、三つに分けられる。
一つ目は、密室やアリバイといったトリックによる謎を前面に押し出したタイプ。便
宜上、トリック派と名付けています。
二つ目は、証拠や証言その他手掛かりから論理を組み立て、容疑者の中から犯人を特
定する推理が見せ所のタイプ。ロジック派。
最後の三つ目は、叙述トリックやバカミス的な大掛かりなトリックを用いて、読者を
驚かせることに力を傾注するタイプ。マジック派。
もちろんこれらが混じり合った作品はたくさんあるでしょうし、トリック派とマジッ
ク派のきちんとした線引きは難しいのですが、とりあえず一番の見せ所を絞れと言われ
たら、たいていの作品はどれか一つに収まるんじゃないかなーと思っています。
で、朝霧さんの“たとえ”を聞いて、私は「これは意外性が売りだよなあ」と感じま
したので、本格推理として描くのであればマジック派を目指すことになるのかなと。た
だ、私の想定しているマジック派の作品て『占星術殺人事件』『斜め屋敷の犯罪』『あ
る閉ざされた雪の山荘で』『殺戮に至る病』といった顔ぶれでして。朝霧さんの言われ
た案で書くとすると、相当スケールアップが必要になりそう。
なので、マジック派に拘らずに、トリックを追加してトリックメインの作品に仕上げ
るとか、ロジックを強化して犯人当てにシフトするといった方がまだ作りやすいかもし
れません。
ではでは。