#2102/3709 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 22/02/08 17:42 ( 33)
“だったら先に読めばよかった” 永山
★内容 22/02/08 17:42 修正 第2版
WOWOWのドラマ「だから殺せなかった」全五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
原作は一本木透の同名小説(東京創元社刊)で、鮎川哲也賞優秀賞受賞。未読です。
あの『屍人荘の殺人』(今村昌弘)が本賞を受賞した回で、最後まで争った作品である
と見聞きしていたので、本格ミステリこってり味かと思っていましたが、さにあらず。
社会派でした。
ほぼ予備知識なしに視聴。事前に知っていたのは、上述の『屍人荘の殺人』と競った
ことの他には、WOWOWのプログラムガイド掲載のあらすじぐらい。てことで、プロ
グラムガイドから引用します。役名のあとの()内は俳優名です、念のため。
「俺の殺人を言葉で止めてみろ」。太陽新
聞社会部遊軍記者の一本木透(玉木宏)
に宛てて届いた一通の手紙。そこには首都
圏を震撼させる無差別連続殺人の犯行
が詳述されていた。犯人は一本木を指名
し、新聞紙上での公開討論を要求。新た
な殺人を予告する犯人に対し、一本木は
報道記者として言葉の力で立ち向かう。
そして、連続殺人犯と新聞記者の前代
未聞の対話は、劇場型犯罪として世間
を揺るがしていく。挑発し続ける凶悪犯
の真の目的とは一体何か。そして、一本木
を待ち受ける衝撃の結末とは…!?
このような惹句かつこのタイトル「だから殺せなかった」から、最終的には言葉の力
で止めることに成功するのかと期待していたのですが、ならず。そういう意味では肩す
かしを食いました。ストーリーは充分に面白く、演技力と相まって、堪能できました。
ただ、鮎川哲也賞優秀賞受賞の看板から期待する本格ミステリ度は薄めで、最終版で待
ち受ける真・真犯人の特定経緯はちょっと物足りない。
想像するに、本作は多分、小説で読んだ方がよさが発揮されるタイプなんじゃないか
しらん。テキストデータでは圧倒的な言葉の量も、映像化するとさーっと流れて消える
感じが出てしまいがち。じっくり読んでこそ、真価を味わえるはず。
ではでは。