#822/3611 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 19/02/27 17:32 ( 51)
ドラ感消化 永山
★内容
WOWOWのドラマ「孤高のメス」第六回を録画視聴。ネタバレ注意です。
空也少年の死亡により、マスコミを通じて批判の矢面に立たされる実川。記者会見の
場で卜部の持ち出した、ミスが起きたとしたら(手術の途中で母親の危篤を聞いた)当
麻にあるんじゃないかなという考えはその場で否定。しかし、マスコミの報道は概ね批
判的で、手術ミスを疑う声も大きくなる。当麻自身が取材に応じたが、事態はさほど変
わらなかった。
程なくして、肝移植研究会会長の徳武から、実川と当麻、そして卜部に対して呼出状
が来る。手術にミスがなかったことは認められたが、肝移植研究会に連絡なく、また院
内の倫理委員会に諮ることもせずに生体肝移植を強行した件については厳しく叱責さ
れ、申し開きを求められた。患者を救うことに一生懸命であったことを訴える実川と当
麻。最終的に、卜部が今後充分に注意させると頭を下げることでどうにか収まった。
この呼び出しのあと、卜部は実川の運転で、国立の大病院・天満橋病院に向かう。そ
この駐車場で、生体肝移植が成功していれば自分がここの次期院長の座に収まったのに
と、悲哀の籠もった表情で吐露する。組織で何かやり遂げるには偉くならなきゃだめだ
と言って、車を降りた卜部はとぼとぼとした足取りで、階段を登っていった。
翌日、卜部の死が伝えられる。朝起きてこないので家人が見に行ったら、寝床の中で
心筋梗塞を起こしており、病院に搬送されるも死亡が確認されたという。野本は、卜部
の死は生体肝移植の失敗から来るストレスが原因じゃないのかと、当麻を責め立てる。
かと思ったら、教授の椅子が一つ空くから選挙が開かれる、こうしちゃいられんとばか
りに飛び出していった。
肝臓を悪くしている湖水町長長の大川は、自宅療養のために退院しただけだったの
が、勝手に職務復帰する。大川の健康問題及び甦生記念病院の当麻の手術ミス疑惑によ
り、町立病院建設推進派が再び勢いを得ており、その動きを押しとどめるための判断だ
った
近江大教授選挙は、候補が三人に絞られた。その中に実川と野本も入っており、情勢
は予断を許さない。卜部の門下生と吹聴する実川は接待攻勢に余念がなく、また町立病
院家説を目論む議員と結んで、新たな天下り先を確保する等、支持を伸ばす気配。一
方、実川は海外での実績こそ充分だが、先の生体肝移植失敗によるイメージダウンが尾
を引いていた。
甦生記念病院では、野本が抜け出すことが増え、患者に対して外科医の数が足りなく
なりつつあった。野本が担当の患者を放り出して接待・得票工作に出掛けていた間に、
患者の容態が急変。当麻が代わりにメスを執ることで、何とか事なきを得た。
そんな折、当麻の一番の助手になっていた青木にかつての先生から急報が。息子が交
通事故に遭い、脳死状態になってしまい、もう意識が戻る見込みはないと言われたとい
う。息子が元気な頃、もし脳死になるようなことがあったら自分の肝臓を誰かにあげて
欲しいといっていたことを思い出した母親は、青木に子供の臓器を移植手術に使って欲
しいと願い出る。ちょうど年齢の近い女性患者が入院しており、大量吐血したばかり。
すぐにでも倫理委員会に諮り脳死移植へのゴーサインを出してもらいましょうと、当麻
や担当医らは盛り上がるが、肝心の実川が難しい顔をして首を縦に振らない。教授選の
動向を睨み、日本国内でコンセンサスを得ていない医療を強行していては当選がおぼつ
かなくなるという。これを実川の変心とみた当麻は、非難の声を上げる。
――以上が粗筋です。今回のポイントは卜部の死でしょう。これによって実川が信条
を変え、目の前の救えるであろう命を見捨て、5年10年先を睨んで臓器移植が当たり
前に行われる社会を目指そうとする。
実川が“暗黒面”に堕す流れが二段階構造になっている凝りよう。卜部の甘言には乗
らずに振り切ったが、その卜部の死によって墜ちてしまう。説得力がある。
そして今週の野本。すがすがしいまでに悪役してます。担当患者を放り出していたこ
とを指摘されても、全然反省しない。腕前も大したことないどころか、下のレベルだ
し、こんなお医者様には当たりたくない。
ではでは。