AWC 本の感想>『三人の登場人物』   永山


        
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★タイトル (AZA     )  14/09/25  17:43  ( 23)
本の感想>『三人の登場人物』   永山
★内容
・『三人の登場人物』(笹沢左保 角川文庫)12/5340
 新婚旅行先のハワイから帰国した松平とマヤは、引き続き国内での新婚旅行
として、神戸に向かった。エリート社員の松平と元人気歌手マヤとは総ての点
でぴったりとはまる、完璧で理想のカップル。だが、神戸で宿泊したホテルで、
白い絨毯にケチャップがこぼれたことに対し、マヤは何かおびえるような仕種
を見せた。それが変化の兆しだった。
 マヤは芸能界にいた割にはすれておらず、酒や煙草もだめという質だったの
が、松平が留守中にそれらを嗜んだと思しき痕跡が、自宅マンションにあった。
ときを同じくして、マンションで真下の部屋に住む芸能事務所の妻が殺される
事件が発生。ベッドマナーさえ変わり始めたマヤを目の当たりにして、事件と
の関連を訝しむ松平だったが。
 主要な登場人物は三人。そのシンプルな配置から生み出される、意外な結末
とは。

 粗筋にも記した通り、たった三人の登場人物だけで、これほどのミステリー
を仕立て上げるのは、作者の手腕の賜。明かされる真相は、そこそこ驚くもの
の、途中で勘付くレベルでしょう。こんなにうまく、思い通りに運ぶかなあ?
と疑問を抱いてしまう。
 文章の方がベテランにしては物足りない。単調で、波に乗りにくく、面白味
に欠ける。同じ作者の他の作品も読んでみましたが、全く同じといっていい文
体でしたから、これはもう笹沢左保の色と見なすべきなのか。

 ではでは。





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