AWC 容疑者宅で料理する刑事の問題   永山


        
#7051/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  12/02/01  17:52  ( 26)
容疑者宅で料理する刑事の問題   永山
★内容
 父の暇潰し用にと、レコーダーで番組の録画設定をいくつかしてまして、そ
の一つが、BSフジで放送されている古畑シリーズ。もちろん旧作で、父自身
も何度か観ている物。
 で、昨日、感想を言うので聞いていたら、「面白くない」と。いや、これま
で面白がって観てきたじゃないか。何が面白くないのだと尋ねると、「刑事が
容疑者宅に上がり込んで料理を作るなんてあり得ない」という答。今さらそん
なことを言うか。そこを突っ込むのなら、大好きなコロンボシリーズだってほ
とんどがそうだろうと言うと、「その通りだ」と返事。
 おかしいと思って聞いていると、「観ていて気が悪い」という表現がしきり
に出て来る。この場合の「面白くない」は「観ていて気が悪い」とイコールで、
さらによく聞くと、「刑事に付き合ってほいほい話さなければ捕まらないのに」
ということが言いたいらしい。
 要するに“作品が面白くない”のではなくて、“ストーリーが思っているよ
うに進まないから腹が立つ”って話です。
 優れた倒叙ミステリは、ときに、視聴者・読者に犯人へ肩入れさせるという
のがあると思いますが、その意味で言えば、古畑シリーズやコロンボシリーズ
はとても優れた倒叙ミステリに違いない。
 だいたい、古畑やコロンボが容疑者(と言うか犯人)の行く先々に現れず、
いちいち相手を警察に呼ぶとか、現れても玄関先で話して終わり、では単調で
退屈に感じる可能性大ではないかと。
 尤も、笹沢佐保原作でドラマ化もされた取調室シリーズのように、取調室に
おける刑事と容疑者とのやり取りに大きく比重を置きながら、退屈させること
なく緊迫感で魅せた作品もありますが、それらとコロンボや古畑シリーズは少
し違う物と捉えるべき。そうしておけば、両方とも楽しめるのだから。

 ではでは。





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