AWC 本の感想>『放課後はミステリーとともに』   永山


        
#6988/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  11/12/18  20:38  ( 25)
本の感想>『放課後はミステリーとともに』   永山
★内容
・『放課後はミステリーとともに』(東川篤哉 実業之日本社)13/3451
 私立鯉ヶ窪学園では事件が多い。たとえば:視聴覚室を飛び出した怪しい人
物が、廊下を逃げ去り、蒸発したかのように消えてしまう。あるいは:流星雨
観測会で目撃したUFOを追っていると、畑で倒れた女性を発見。首には絞め
られた痕跡があったが、周囲に足跡はなし。それとも:体育倉庫で煙草をふか
していた不良生徒はどこにライターを隠したか。もう一つ:墜落してきた女生
徒が教育実習の先生に激突。自殺ではないにも拘わらず、屋上に出て入りした
人物はいない。ついでに:校庭隅の砂場で練習していた陸上部員が、後頭部を
痛打される。砂場に犯人らしき足跡はない、等々。
 数々の謎を解き明かそうと奮闘するのは、探偵部副部長・霧ヶ峰涼! エア
コンではない!

 これ、かるーい語り口のミステリだけど、書くのは意外と大変だと思う。高
校生が主人公で舞台は学校周辺、あんまり大ごとにはならない程度の事件を起
こさせるという縛りを短編集で行うのは、結構きつい。しかもどれもロジック
で魅せようと努力しているのだから、相当な労作のはず。
 程度の差こそあれ、いずれも捻った解決が用意されていて、楽しめる。惜し
むらくは、改め不足。いくつかの作品でもっと簡単な(でも平凡な)答が考え
られるのに、そこに触れないのはおかしくないか?と思わされた。まあ、分量
の都合で触れるに触れられなかった可能性もありますが。
 編中のベストは「霧ヶ峰涼の逆襲」でしょうが、これは意外な真相を求める
あまり、ちょっと急ぎ足になった感あり。だって、タレントの相手が**であ
る必要性や論理性はないでしょう。

 ではでは。





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