AWC 裏を読めぃっ!   永山


        
#6402/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  10/12/09  18:58  ( 38)
裏を読めぃっ!   永山
★内容
演劇の雑感>
 NODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」WOWOW放送分・Aバージ
ョンを視聴。
 観終わって、釈然としないまま、感想を検索してみると、評判がいい。私に
は合わなかったとしか言い様がありません。言葉遊びが散りばめられていると
いう点に惹かれ、観る気になったのですが、まずその点に関して期待外れに終
わった。確かに散りばめてはあったものの、さして面白く感じなかったのは何
でだろう。
 他のどたばたやシチュエーションコメディも頑張ってるけど、予想の範疇を
越えないまま。あ、野田秀樹と中村勘三郎が並んで階段落ちをするシーンには、
おおっ、と感心しました。

 のめり込めないと、色々と気になる訳で……。
 終盤、親娘三人が鎖で足首をつながれて動けなくなって、家の中で遭難状態
になる。そして勘九郎演じる父親が生き延びるためには飼い犬の乳を吸ったり、
飼い犬を食べたりしなくちゃいけなくなるかもというプランを口にする場面。
劇場の観客は笑ってるんだけど、おかしいかなあ? “窮地に陥ったら人は何
でもする”は、推理小説では当たり前の発想だからか、私にはぴんと来ません
でした。
 三人はそれぞれ別々に出掛けたいが、飼い犬のお産のおかげで一人は留守番
に残らねばならない。己が信じるものの優位性を示そうと言葉を闘わせる訳で
すが、信じるものに差が仮にあるとして、その優位性が低いものを信じている
人が残らねばならないという理論がおかしい。この作品の場合、いい加減な約
束をした父親に非がある。勘九郎が留守番すれば終わり、と思ってしまう。
 あと、一家の内、少なくとも一人は、第三者と出かける約束しといて行けな
い訳だから、誰かの相手がじきに様子を見に来てくれるんじゃないかしらん。

 前半で笑って、中程のとある台詞で愕然とさせられて、後半、段々笑えなく
なり、最後に考えさせられる状況を突き付けられて幕。
 やりたいことは凄く伝わってくる。前半で笑えなかった観客は、この階段を
昇れないというか昇らないというか。階段の隣に設置されたエレベーターから
眺めている心地。
 それはもしかすると、テレビで観たせいかも。劇場に足を運び、空気や息づ
かいなんかを感じ取りつつ観ていたなら、全く異なる感想を抱いた可能性あり。
こうして長々と書いたのは、「自分には合わなかった」の一言で済ませられな
いものを感じたせいでもあるのだし。

 ではでは。





前のメッセージ 次のメッセージ 
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧 永山の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE