AWC 競演もほどほどに   永山


        
#6172/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  10/07/04  16:47  ( 22)
競演もほどほどに   永山
★内容
 競走馬のオグリキャップが死亡。
 こういう「名馬の死の報道」があると思い出すのが、確か、エッセイ本で読
んだ作品紹介。と言いつつ、作品名もエッセイ本の題名も失念しているのです
が。
 確か……主人公の父親が事故か何かで亡くなった翌日の新聞に、名馬の死亡
記事が写真入りで大きく載り、父親のことは短い文のみの極小さな扱い。この
現実に、主人公は虚しさを覚えて云々……という筋書きでした。

 スカパー!開放を利して、ドラマ「マードック・ミステリー」第十七話を視
聴。売り出し始めた頃のハリー・フーディーニが登場し、会話にはH.G.ウ
ェルズやジェシー・ジェームズらの名前が出て来る。欲張りすぎのような。
 フーディーニが脱出マジックを演じている最中、隣の銀行に強盗が入り、殺
人も起こる。姿の見えなかったフーディーニに容疑が掛かり、目撃証言も出て
来る……という筋書きですが、実在したフーディーニを犯人にできる訳がない
ので、主人公の上司に当たる警部がいくら疑おうと、恫喝しようと、その空回
りっぷりがコミカルなだけで、スリルは生まれない。最初からフーディーニを
探偵のサポート役にしておけばよかったのに、と思いました。
 ミステリの分野で、実在の人物や団体などを物語に取り入れる場合、読者へ
のアピールは強まるかもしれない反面、謎の段階が一つ弱まるデメリットも意
識し、秤に掛ける必要があると考える次第。

 ではでは。





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