AWC 本の感想>『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』   永山


        
#6027/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  10/03/26  21:33  ( 21)
本の感想>『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』   永山
★内容
・『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』(倉阪鬼一郎 講談社ノベルス)
                            14/6332
 とある大学の芸術家グループの面々が、秘密の招待状によって一人ずつ、双
子の館――黒鳥館と白鳥館に招かれる。彼らを待ち受けるのは、復讐の罠。一
人また一人と始末されていく。
 そして、その様を綴った物語を読まされる男。重層構造を持つ物語に仕掛け
られた秘密とは。

 バカミス(賞賛の意味で)。
 もの凄く手間を掛けて、馬鹿々々しいアイディアを実現させてしまった。そ
の点では、作者に拍手を送ります。
 最初に明かされる殺人トリックは、読者にも容易に思い付けるものの、あま
りにも馬鹿々々しいため、いくら何でもないだろうと放棄したネタがそのまま
使われていました。これの種明かしがされた段階で、読むのをやめようかと思
ったくらい。しかし、本書はバカミスとしての世評が高く、信じて読み続ける
と……やがて報われました。後半、怒濤のバカミス的仕掛けが連続で炸裂しま
す。執念深いというか、半ば狂気じみているというか、とにかく尋常でない手
間と労力でこしらえられた仕掛けが、我々読者を直撃し、大いに脱力させます、
多分。

 ではでは。





前のメッセージ 次のメッセージ 
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧 永山の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE