AWC 本の感想>『ビーコン街の殺人』   永山


        
#5204/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  08/10/21  00:55  ( 26)
本の感想>『ビーコン街の殺人』   永山
★内容
・『ビーコン街の殺人』(ロジャー・スカーレット/板垣節子 訳 
                   論創海外ミステリ)4441/13
 サットン家のパーティに招待された弁護士のアンダーウッドは、居心地の悪
さを感じていた。早く帰りたいという彼の願いがようやく叶えられたそのとき、
女性の叫び声が。声のした方へ急ぐと、そこでは館の主が銃で撃たれて死亡し
ていた。部屋には名士として知られるアーンセニイ婦人が立っており、凶器と
思しき拳銃があった。容疑を掛けられた婦人は、弁護士が来るまで何も喋らな
いと宣言する。
 簡単な事件と考えられたが、ほんの数時間後に、新たな事件が発生し、一気
に混迷の度合いが高まる。解決に乗り出したケイン警視らは、あることを手掛
かりに罠を張るが……。
 『エンジェル家の殺人』で知られる著者のデビュー作。

 予想していたよりも心理的・感情的なことを手掛かりに取り入れており、そ
のためか、ロジックの展開がやや強引に感じられるところが散見されました。
デビュー作らしいといえばらしい。これが洗練されて、『エンジェル家の殺人』
につながるのかな、と。
 二つの密室(状況)殺人が描かれていますが、トリック的には大したことは
ないと思います。一つ目の方、私は現場に暖炉があるせいで、別の有名トリッ
クが使われているのかと考えたけれど、違っていた(笑)。二つ目は、伏線不
足でちょっとどうかなあって感じ。
 終盤、犯人を絞り込む過程は、なかなか読ませます。あとからあとから新た
な手掛かりが出て来るのは不満ですが、誤誘導が効いています(今のミステリ
に慣れた人には、あからさますぎるかもしれませんが)。

 ではでは。





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