#5157/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 08/09/17 20:22 ( 36)
シリーズ物を持つことの問題点 永山
★内容
シリーズ物を持つことは、シリーズキャラクターを持つこととほぼイコール
で結べます。
読者から支持されるシリーズキャラクターを持っていると、物語作りが楽に
なる。登場人物名を考える手間がいくらかでも省けるし、これまで何度も描か
れたようなありきたりのストーリーでも、持ちキャラを当てはめることで細部
に特色を出せ、一定の評価を得やすい。
そこまでなら許容範囲でしょうが、キャラクターの近況を読者に伝えるため
に作品を書くようなことになると、ちょっと困る。“A一郎は今週、こんなこ
とをしました”と書いてある「週刊A一郎」だな、なんて風に揶揄されるのも
無理ない。
別の問題点としてよく言われるのは、そのシリーズに合わないアイディアを
思い付いたとき、どうするか。
・別の登場人物など設定をこしらえて、物語にする。
・元からあるシリーズに当てはめて、無理にでも書く。
アマチュアならば、まあ前者にすべきという答が妥当でしょう。
これがプロだと、事情が変わるのではないかと推測。「先生、次も**シリ
ーズでお願いします」と頼まれ、引き受けていたら、シリーズに合ったアイデ
ィアを思い付かなくても、締め切りまでに書かなねばならないこともあるはず。
最良の形で読者に供せたかもしれないアイディアを、シリーズ物を持ってい
るが故に、次善、三善の形で書いてしまっては勿体ない。作者にとっても不幸。
他にも、マンネリに陥りやすい、後付けの設定が目に余るなどの指摘がある
ように思います。シリーズ物を書く作家全てが当てはまるとは言えないが、当
てはまる作家が多いというのは言えそう。
と、シリーズ物に否定的なことを書いてみましたが、反対にシリーズ物を持
つことの効用も確実にある訳で。
結局、作者自身の問題に帰結するんでしょうね。問題点を露呈することなく、
レベルを保ってシリーズ物を書き続ける。それができなくなったら、そのシリ
ーズを打ち止めにする――シリーズ物を持つからには、これぐらいの意識は必
要かと。
ではでは。